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Texas Instruments(TI)は、 1個の高周波ドライバとハーフブリッジ構成された2個のGaN FETを使いやすいQFNパッケージに集積した完全集積型80V、10A GaN FETパワーステージ「LMG5200」のプロトタイプを発表した。
同製品によって、スペースに制約のある産業、通信用高周波機器の電力密度や効率を向上する次世代GaN電力変換ソリューションの普及を加速できると同社では説明する。
GaNベースの電源ICで最大の障壁は、GaN FETの駆動にまつわる不確定さと、パッケージや設計レイアウトにより発生する寄生インダクタンスにある。通常、設計にスイッチング周波数の高いGaN FETを使用する場合、基板レイアウトでリンギングやEMI(電磁障害)の防止への入念な配慮が必要となる。
同製品は、こうした問題を解消するとともに、重要なゲートドライブループの寄生インダクタンスをパッケージ内に収めることによって低減し、パワーステージの効率を向上している。また、先進的なマルチチップパッケージ技術を採用し、スイッチング周波数が最大5MHzの各種電力変換トポロジ向けに最適化されている。
6mm×8mmのQFNパッケージは使いやすく、アンダーフィルが不要なため、製造が大幅に簡素化される。こうしたサイズの低減によりGaN技術の持つメリットが高まり、高周波ワイヤレス充電器から、48Vの通信や産業機器の電源設計に至るまで、多数の用途でGaN電源ICの普及を可能にする。
同製品のサンプルは販売中で、参考価格は50ドル、最大注文可能数量は10個。評価モジュールは参考価格299ドルで提供している。
80VハーフブリッジGaN FETパワーステージプロトタイプ「LMG5200」のパッケージイメージ