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パリ市内中心部、セーヌ川の近くにあるスーパーマーケットの地下からなんと200体以上に上る数の遺体が発見されるという、ショッキングなニュースが舞い込んだ。店舗の拡大に伴う工事作業中に地下を掘っていたところ、この膨大な数の人骨が見つかったのだ。
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■整然と並ぶ200体の骸骨! 一体この地で何が?
3日、英「Daily Mail」が伝えたところによると、これらの遺体は腕を交差させたり、脚を曲げていたり、一人ずつ頭と足を交互に配置する形でていねいに葬られており、飢饉や伝染病で亡くなった、少なくとも500年は前に埋められた遺体であると推測されているそうだ。
実際に骸骨が整然と並べられている画像を見ると、怖さや不気味さといったものはなく、荘厳な気配さえ漂っている。
現地フランスの国立予防考古学研究所(INRAP) の考古学者らは目下、発掘作業で大忙しのようである。まず遺体が5~20体程度ある部屋を7つ、150体ほどある部屋をひとつ発見したという。
現場となったスーパー「Monoprix」のパスカル・ロイ店長によれば、元々この土地は12世紀に建てられたトリニテ病院の墓地があった場所であるということだが、今回発掘された遺体が正規に埋葬されたものなのかどうか、未だ真相は謎である。
ちなみに、パリ市内には200年前に作られた、600万人の市民が眠るカタコンブ(超巨大な市営地下納骨堂) があり、実は知る人ぞ知る隠れた人気観光スポットである。
■疫病による大量死か?
専門家によると、このように1ヵ所だけで大量の骸骨が見つかるのは非常に稀なことだそうだ。14~16世紀にフランスを襲い、多数の犠牲者を出したペストや17世紀の天然痘など、伝染病で一気に大勢の人が亡くなった可能性を示唆しているとも考えられている。また、墓地の様子から、当時の思想や埋葬方法などがわかる良い機会にもなるということだ。
考古学者のイザベル・アバディー氏は、遺体が乱雑に扱われておらずに非常にていねいに埋葬されている点が特に興味深いと語っている。遺体の骨の間から中世の陶器とみられる破片も見つかっており、今後、骸骨からの炭素やDNA検査によって、彼らが亡くなったより正確な年代を割り出すということだ。検査が無事に完了すれば、現場にある遺骨はさっそく研究のために持ち出される予定だ。分析と研究によって一体どのようなことが判明するのか続報に注目が集まる。
ヨーロッパでは、つい先日に英デヴォン州イップルペン村の墓地で、ローマ時代のものと思われる15体の人骨が発見されたばかり。前述のカタコンベなど見学できる所も多いので、旅行の際は行かれてみてはいかがだろうか。
(文=Maria Rosa.S)