政治そのほか速
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渋谷区が、法的効果はないものの、同性パートナーを「結婚に相当する関係」として認める条例を区議会に提出した。ネット上では、渋谷が第2の新宿二丁目になるのでは? 渋谷区にLGBTが殺到か? といったことも言われている。この条例について、LGBT当事者たちはどのような思いを抱いているのか? 都内に存在するニューハーフバーで話を聞いた。
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「あたしの周りにはゲイもレズビアンの子たちもいるけれど、『だから何?』っていうのが大多数の意見よ。結局ノンケが騒いでいるだけ。あたしたちにとってはどうでもいいことね。現行の法制度でも財産を他人に渡せるでしょ。法的効力がないんだったら、いくら結婚に相当する関係といったって、ただの紙切れじゃない。せめて都の条例くらいにはしてほしかったわね」(キャリーさん ニューハーフバーママ 20代・彼氏募集中)
「ただ、こういう制度ができること自体は、いいことだと思ってるわよ。小さいことから始まるだろうしね。でも詰めが甘いわね。欧米の同性愛カップルの待遇(同性カップルであっても、婚姻自体を認めたり、事実婚に関する法的保障を拡充するなどの制度が創設されている)と、渋谷区の条例では、認められている内容が全然違うでしょ。TVのニュースでは、同条例が認められることで同性2名が賃貸物件を借りる時に、友達ではなくカップルとして入居するということを、不動産業者に対して周知させられると言っていたけど、もしLGBTだということを大家が知って拒否されたらどうするのよ? 突っ込みどころ満載よ。意地悪な見方をすれば、オリンピックに向けて、日本はオープンな国ですよと、世界のLGBTに媚びてるだけのような気もしないでもないわ」(同)
予想とは裏腹に冷静な反応であったが、店内にいた常連客にも話を聞いた。
■男性(ゲイ)の意見
・40代独身男性(ゲイ、会社員、パートナーあり)
「基本的にこういう制度ができるのはいいことだと思うけど、まだまだ世間の理解が足りない。さらに、クローゼット(カミングアウトしていないゲイ)もたくさんいる。そういう人たちにとっては、まったく無意味な制度だと思う」
・30代独身男性(ゲイ、会社員、渋谷区在住、パートナーなし)
「僕は会社の人間や親兄弟にもカミングアウトしていないけど、同性婚をして養子を取って子どもを育てたいという希望がある。渋谷区の制度は、結局、若い同性カップルを想定したもの。まだまだ制度の先にあるものだろうけど、同性カップルが子どもを持つことや、親と一緒に住むといったことがまったく想定されておらず、可能性にも言及されていないことに失望したね。区役所にカミングアウトする気はないよ」
■女性(レズ・オナベ)の意見
・20代独身女性(レズ、フリーター、パートナーあり)
「結局、本当の結婚ではないんでしょ。だったら、区外に転居したらどうなるの? 渋谷区は家賃だって高いから、そう簡単には住めなさそうだし。あとは、国民健康保険とか年金といった部分にまで目を向けて考えるべきだと思う」
・20代独身女性(オナベ、会社員、パートナーあり)
「僕は男として、異性である女と結婚したいという夢がある。だけど、渋谷区の条例では、身体的な性別と性自認が一致しないオナベやニューハーフたちにとって無意味。それなのに、LGBT全体の話題として取り上げられていることに違和感がある」
今回の取材で明らかになったのは、当事者たちの反応が意外に冷めているということだった。条例案をめぐっては、10日、渋谷で「LGBTは社会を乱す」として反同性愛デモが行われるなど、まだまだ、LGBTに対して差別をする風潮が根強く残っていることは事実だ。今回の条例案がきっかけとなって、少しでも偏見がなくなることを期待したい。
(文=平田宏利)