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女優で歌手の原田知世が、ザ・ビートルズやノラ・ジョーンズなどの洋楽の名曲をカバーしたアルバム『恋愛小説』を3月18日に発売。1983年に主演作『時をかける少女』(主題歌も担当)で映画デビューし、薬師丸ひろ子や渡辺典子と共に「角川三人娘」と呼ばれ、アイドルとして世の中を席巻。現在も女優、歌手として幅広い分野で活躍する原田は、独特な透明感ある雰囲気で独自のポジションを確立した。時代が変化しても高度な清廉さを保ち続けるその理由に迫る。
【写真】今も変わらず美しい原田知世
◆芸能界の先端と言われる部分と距離を置いて活動できた
──原田さんは、80年代からずっと音楽活動を続けていらっしゃいますが、ずっと音楽活動を続けられるのは、1つひとつの出会いを大切にしているからなのでしょうね。
【原田】 とてもいいタイミングで、素晴らしい方々と出会い、一緒にお仕事をできたこと、それが今につながっているんだと思います。とても幸せなことだなって。自分の財産になっていますね。
──デビュー当時は松任谷由実さん、その後には秋元康さんや(作曲・編曲家の)後藤次利さん、鈴木慶一さんなど、これまで様々なアーティストの方と楽曲制作をされていました。
【原田】 松任谷さんは、デビュー前から家族全員で聴いていたミュージシャンだったので、楽曲提供のお話をいただいた時は、大事件が起こったっていうくらい大騒ぎになりました。それから現在に至るまで、年を重ねても素晴らしさを感じる楽曲を提供いただいて、感謝しています。
──そして90年代に入ると、鈴木慶一さんプロデュースで3枚のアルバムを制作。この頃から、ミュージシャンとしての評価が高くなったような気がします。
【原田】 鈴木さんと出会えたのは(その後のミュージシャンとしてのキャリアにおいて)大きかったですね。自分自身の個人的な考えを、音楽で表現する方法を教えていただいた気がします。
──デビュー当時から、いずれはご自身で音楽を制作されたいというビジョンはあったのでしょうか?
【原田】 今いる場所を目指して活動をしていたつもりはなくて。デビューした頃には、こんなに長くこのお仕事を続けるなんて想像もできませんでした。
──80年代はアイドル的な人気をみせていた原田さんですが、とても自然な形で独特な透明感のある雰囲気のアーティスト・役者へとイメージチェンジをされた印象が強いです。
【原田】 私は芸能界の先端と言われる部分から、ちょっと距離を置いて活動ができた気がしていて。そこに心地よい場所を見つけられたというか。(芸能界には)いろいろな役割があるので、私はそこでいいのかなと。音楽に関しては、時代性を少し入れながらも、10年後にも聴いてもらえるようなものを残していきたいと考えています。
◆大切なことを見失うことさえなければ大丈夫
──現在も日々たくさんのアイドルが登場しています。原田さんのように、独自の世界を構築させて第一線で活躍し続けるために必要なことって何ですか?
【原田】 10代の頃は、何かを考える余裕がなかったので、周囲にひいてもらったレールの上をひたすら走るしかない状況でした。でも、自分の正直な気持ちだけは流されないようにしていたかもしれないですね。それを忘れさせずにさせてくれた存在が、家族や高校の友人でした。大人や仕事が介入しない時間があったことで、大切なことを見失うことがなかった。きっと現在活躍されていらっしゃる人も、大切にしなくてはいけないことは何かというを見失うことさえなければ、大丈夫だと思います。
──原田さんが我を忘れそうなほど忙しかった時期はいつだったのでしょう?
【原田】 高校に通いながら活動していた頃ですかね。でも、学校が唯一の大人のいない時間だったので、自分を見失うことがなかった気がします。本当に仕事と関係のない同世代の友人は大切です。今でもお付き合いがあるんですよ。
──なるほど。
【原田】 また、家族の存在も大きいですね。デビューと一緒に母親と姉も上京してくれたので、仕事が終わると長崎の実家があったという感じでしたので。きっと一人で東京で暮らしていたら、ここまで活動はできなかったと思います。
──周囲の暖かいサポートもあって、デビュー以来魅力的な女性であり続けていらっしゃると思うのですが、他にもずっと変わらない透明感や美しさをキープされている秘密があるような。
【原田】 日常のなかで、小さなことでもいいので元気になれるものを見つけることですかね。それから、休みがとれたら旅をしたりもします。旅をすることでリフレッシュにもなりますし、心に栄養をもらえるので。
──今後も、心をときめかせるものを探しながら、活動されることを期待しています。
【原田】 女優のお仕事は、監督さんや脚本家さんなどと共にひとつの作品を完成させるやり方で、音楽は今の自分を表現できる場所。全く異なるものだから、演技のお仕事をしていると音楽をやりたくなって、音楽制作をしていると演じたくなる。だから、ずっと飽きずにいられるんです。これからも出会いを大切に活動を続けたいですね。でも最近は時間の流れがあっという間なので、(一瞬一瞬を)大切にしなくてはと思っています。
(文:松永尚久)