政治そのほか速
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リナックスのスマートフォンを買ってしまいました。
正確に言うと、まだ買ったわけではなく、クラウドファンディングのプロジェクトに出資したところです。
クラウドファンディングは、多数の人から少額ずつお金を集める資金調達の仕組みで、演劇などのアートプロジェクトからバンドのアルバム作り、ハイテクの製品作り、もしくはベンチャー企業そのものまで、いろいろなものがこの仕組みで資金調達をしており、いまやそれをサポートするサイトだけで400を超すという大セクターです。
私が出資したプロジェクトは「Ubuntu Edge(ウブントゥ・エッジ)というリナックスのスマートフォンを作るからお金を出して。695ドル出してくれた人には完成したスマートフォンをあげます」という「予約販売会」的なもので、8月21日を締め切りとして進行中です。
なぜこれに出資したかというと、iPhone・Macというアップル製品を将来代替するものを探しているからです。私、恥ずかしながらiPhoneが世に出てからずっとiPhoneユーザで、今のところ大変満足しています。iPhone購入を機にPCもWindowsからMacに宗旨替え、90年代前半まではアップルユーザだったので出戻りですが、Macも気に入っています。
しかし、この先3年~5年経(た)った時点でもアップル製品が現在のような優位性を保てるかどうかについては大いに憂慮しています。卓越した先見性、テイスト、カリスマを持ったジョブズという偉大なリーダーが亡くなった時点で懸念を感じましたが、それがより現実的な心配に変わったのは去年のこと。「パチンコガンダム駅」で話題となったiPhoneの地図アプリを見た時です。
この地図アプリは、ロンドンの一部が突然ブランクになっていたり、ヘルシンキの中央駅が公園になっていたり、ニュージーランドの駅が海の中にあったりと、世界に衝撃を与えました。地図アプリは携帯アプリの中でも一、二を争う重要なものなのに……。地図アプリ作りは本当に難しいもののようですが、だからといって中途半端なものを出すとはアップルにあるまじき行いです。
この地図で思い出したのが、まだ私がWindowsに乗り換える前のアップルユーザだった 90年代初頭のできごとです。Macを会社で買って立ち上げたところ「チュートリアル」というアイコンがあったのでクリックしたのですが、「このプログラムは未完成のためフリーズします」といったような文章が表示され、本当にフリーズしてしまったのです。「パチンコガンダム駅地図」は、このときの衝撃を思い出させるものでした。(もちろん、現時点ではまだアップル製品は素晴らしいのですが)。
「Androidがあるじゃないか」と思うかもしれませんが、Androidはやはりまだエレガントさに欠けます。それに、携帯だけではなくPC環境も重要ですが、Mac並みのスムーズな環境を提供してくれるのは誰になるのでしょうか? こちらもグーグル? しかし、サーチやメールでグーグルを多用する中、携帯やPCのOSまでグーグルというのも恐ろしいものです。
そういうわけで、アップルでもグーグルでもない新たな代替製品・サービスは登場するのか?ということに大いなる関心を持っています。
さて、リナックス・スマートフォンのUbuntu Edgeですが、これはリナックスの中でもUbuntuというOSを搭載したスマートフォンで、ハイエンドのデスクトップPC並みの性能を持ち、モニターにつなげばそのままUbuntu PCとして使うこともできるという1粒で2度美味(おい)しいものです。是非試してみたい、と興味津々でクラウドファンディングに参加しました。
しかし、ここで大いなる問題があります。それは、今回のクラウドファンディングの目標額が3200万ドル(約32億円)であるということ。クラウドファンディングは今や大きな動きとなっていますが、それでも、これまでの最高調達額はPCゲームのStar Citizenによる1500万ドル(約15億円)。しかもこれは10ヵ月近くかけたもので、最初の1ヵ月にStar Citizenに集まった金額は600万ドル強しかありませんでした。
Ubuntu Edgeはファンディングを開始してから2週間強の現時点で900万ドル近くを集めており、クラウドファンディングとしては素晴らしいペースですが、それでもまだ目標額の4分の1。あと2週間で目標を達成するのはかなり険しい道のりです。7日には金融情報のブルームバーグが8万ドルで100台購入(出資)すると発表して話題になりましたが、まだまだ3万台以上売らないといけません。そして、目標額に達しないとこのプロジェクトはご破算で、それまでに集まったお金は出資者に返金されてしまいます。
うーむ、やはり未来はグーグルにあるのでしょうか。もちろん、アップルが持ちこたえて素晴らしい製品を世に送り出し続けてくれればそれでも全く問題ないので、是非アップルさんに頑張って頂きたいと思う今日この頃です。