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北海道栗山町の焼き肉店で食事後、食中毒症状を訴えて札幌市内の病院に入院していた中3女子生徒(14)が1日、死亡した。女子生徒は3月19日に同町中央にある「とんとん亭」で卒業生を送る会に参加し、バイキング形式の食事をとった。会には保護者らを含め計21人が参加、うち14人が21日以降に食中毒の症状を訴え、医療機関で受診。女子生徒も22日から入院していたが、1日午後0時45分に死亡した。
「岩見沢保健所が14人中12人の便を検査したところ、5人の便からカンピロバクターという細菌が検出されました。女子生徒からは便がとれなかったようで、未検査です。道警は女子生徒の死亡と食中毒の因果関係を調査中です。店は、27日から4日間の営業停止処分を受けました」(現地事情通)
カンピロバクターはニワトリ、牛、豚などの家畜をはじめ、ペットや野生動物などあらゆる動物が保菌しているものだが、人間が感染すると、下痢、腹痛、発熱、嘔吐の症状が出る。感染症に詳しい東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏がこう言う。
「子供や高齢者、免疫力の落ちた人がカンピロバクターにやられると、重篤化する可能性があります。しかし、死に至るケースはほとんどありません。女子生徒が死亡するまで2週間ほどかかったことを考えると、潜伏期間が長く、死に至ることもあるO―157に感染していた可能性もなくはない」
岩見沢保健所によると「当日、女子生徒の体調に問題はなかった」といい、「設備の清掃、従業員の手洗いなどに問題があったとの報告は受けておらず、過去に集団食中毒を起こした例も聞いていない」と話す。集団食中毒が起きた原因は一体何だったのか。
「カンピロバクターなどの細菌は、加工時に食肉の表面に付着します。そのため、表面を焼けば危険性はほとんどありません。女子生徒らは生に近い状態で食べてしまったのかもしれません」(藤田紘一郎氏)
店に問い合わせたが、連絡はつかなかった。