政治そのほか速
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仕事の専門分野でなくても、一流のビジネスマンになるために学んでおきたいことがある。
各界の第一人者たちが長く読み継がれる入門書を厳選してくれた。
マーケティングは新しい市場を見出し、顧客を創造するのが使命だ。『イノベーションと企業家精神』のなかでドラッカーがあげている“イノベーションのための7つの機会”にこそ、マーケティングのエッセンスがある。とりわけ「予期せぬ成功と失敗」は重要なチャンス。たとえ予想外の出来事であっても、それは“結果がわかった事実”だ。そのときに得た発見を根拠に戦略を体系化していけば、“結果が不確定な事業計画”よりも高い確率で新規事業につながる。
日本企業は欧米を追う立場から、アジアなどに追われる立場になり、自らの手で新しい事業コンセプトを構築し、市場を開拓していく必要がある。特に独創的なアイデアの必要に迫られ、『アイデアのつくり方』には、市場調査データのようなマーケティングにかかわる“特殊情報”と、ニュースのような社会に広まった“一般情報”の結びつきからアイデアが生まれるとあり、慧眼といえよう。
また、マーケティングに関する実務の手引きは少ない。私自身も困ったことがある。そこで経営コンサルタントとしての体験を踏まえて、旭山動物園やアスクルの成功事例などをベースにしながら、マーケティングの具体的なプロセスをまとめたのが拙著『顧客創造実践講座』だ。
■マーケティング――新たな市場で顧客を創造していく
■経営学の泰斗による方法論
『イノベーションと企業家精神』
P・F・ドラッカー/上田惇生(訳)/ダイヤモンド社
企業経営者に向けて、組織のマネジメントや事業のイノベーションに関する具体的な方法論を示した書。このなかでドラッカーは“イノベーションのための7つの機会”として重要な順に、(1)予期せぬ成功と失敗を利用する、(2)ギャップを探す、(3)ニーズを見つける、(4)産業構造の変化を知る、(5)人口構成の変化に着目する、(6)認識の変化をとらえる、(7)新しい知識を活用する──をあげ、新規事業はそれらによって起こると説く。今日に通用するマーケティングの原理が網羅されているといっても過言ではない。まさにマーケティングの「不磨の大典」というべき書だ。
■半世紀以上のロングセラー
『アイデアのつくり方』
J・W・ヤング/今井茂雄(訳)/CCCメディアハウス
マーケティングでは、市場開拓のためのアイデアが必須といえよう。…本書にはタイトルどおり、アイデアを生み出すための方法論が満載されている。「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ」と説く著者は、戦後の米国広告業界をリードした立役者の一人。日本でも半世紀以上にわたって読み継がれてきたロングセラーだ。マーケティングに携わるなら、ぜひ読んでおきたい一冊。
■数少ない実務者向けの実践書
『顧客創造実践講座』
宮永博史/ファーストプレス
技術研究者や経営コンサルタントを歴任した著者が、マーケティング実務者向けにまとめた手引書。「研究開発部門から経営企画部門に異動した“私”がロボット事業立ち上げに携わる」というストーリーを通じて、死の谷の克服、SWOT分析、経営陣へのプレゼンといったアイデアを事業化していく手順を学べる。各項目に読者用の自己分析リストもついており、とても実践的。
野澤正毅=構成 加々美義人=撮影