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被爆者の体験を伝える「語り部」の後継者を3年間で養成する研修が広島市で行われている。
広島平和記念資料館(同市中区)に登録、「語り部」として活動する細川さんら被爆者44人の平均年齢は81歳を超える。その経験や思いを後世に伝えるため、被爆者も含めた後継者を育成する取り組みだ。一昨年夏から研修を受ける1期生約100人が、来春の活動開始を目指している。
21歳から80歳までの主婦や会社員ら。広島県内に住む被爆2世のほか、東京、山梨、大阪、福岡など9都府県から通う人も。研修は広島市で月1回程度行われ、1年目は原爆の仕組みや人体への影響など基礎知識を学んだ。2年目は被爆者から聞き取った体験を文章にした約45分間の「講話」を作り、3年目に実習を重ねる。正確さや分かりやすさを基準に、同市が認定する。
主婦、土橋(つちはし)道子さん(72)(同市東区)の母親は、爆心地から約2・6キロの実家で被爆。6年前に亡くなったが、被爆体験を語り始めたのは、道子さんに子供が生まれてから。「あの日、広島で起きたことを、次の世代に伝えたかったのだろう」。その願いを継ごうと、研修に参加した。
「被爆者にとっての69年を、自分が語れるのか」。受講生は時に悩みながら、被爆者から体験を聞き、逃げまどった道を一緒に歩いた。後継者として認定されれば、同資料館などで修学旅行生らに「体験」を語る大役を担う。「ヒロシマを忘れない」との誓いを胸に。
写真と文 永尾泰史
(5月24日から7月23日に撮影)