政治そのほか速
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誰もがスマートフォンやデジタルカメラを持つ「1億総カメラマン」の時代。どこででも写真が撮れ、簡単に送信できるが、撮り方や構図の前に、まずシャッターを押して目の前のニュースを記録する姿勢が報道写真の基本であることは変わりない。
伊豆大島を直撃した台風や竜巻などの自然災害、花火会場の爆発事故、スキー客を襲った雪崩……。ニュース&ドキュメンタリー部門の入賞作品をはじめとしてこの1年間、新聞の一面を飾った読者提供の写真は、いずれもこの基本に忠実だった。どんな名人でも、現場にいたアマチュアカメラマンにかなわない。
テーマ部門には例年、腕自慢の作品がそろうが、驚きや喜びが素直に表現された写真が高い評価を受ける。今回は「輝き」というテーマのゆえか、ハンディキャップに負けずにプレーに打ち込む若者や、丸々としたニシキゴイに笑みを見せる生産者など、被写体へ向けたストレートな思いが伝わってくる作品が多かった。
素直さなら大人よりも高校生、さらに小中学生の方が上手だろう。今はピントや絞りをカメラ任せにしても失敗がないため、時として、好奇心がそのまま表れた、プロ顔負けの新鮮な写真が生まれる。
技術が向上するとコンテストの入賞作品の模倣に走り、感性を忘れてしまう人がいることは残念。子どもが小さな指で無心にシャッターを押した1枚は、写真の原点は感動であることを私たちに思い出させてくれる。