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期限24時間…ヨルダンに圧力、決断迫る狙いか

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期限24時間…ヨルダンに圧力、決断迫る狙いか

 【アンマン=溝田拓士】イスラム過激派組織「イスラム国」が27日に公開したとみられる新たな映像は、人質の後藤健二さん(47)とサジダ・リシャウィ死刑囚との交換期限を一方的に24時間と区切った。

  リシャウィ死刑囚を収監するヨルダン政府に圧力をかける狙いがあるとみられる。

  24日の映像では、イスラム国が拘束するヨルダン軍パイロットのムアズ・カサースベ氏(26)への言及はなかったが、今回は、後藤さんとリシャウィ死刑囚との交換に関し、「ヨルダン政府がこれ以上遅らせれば、パイロットは死ぬことになる」と警告。ヨルダン政府が、カサースベ氏の解放を「最優先事項」(アブドラ国王)としていることを見透かすかのように、「パイロットに残された時間はもっと短い」と脅迫した。

  20日に日本人男性2人の映像を公開し、身代金を要求した動画では、交渉期限を72時間としたが、今回の期限は24時間。身代金2億ドル(約236億円)という当初の法外な要求を取り下げる一方で、早期の決断を迫った。ヨルダンと日本の両政府に、時間的余裕や条件闘争の余地を与えない狙いがあるようだ。一方でメッセージには、「彼女(リシャウィ死刑囚)は10年間収監されている。私(後藤さん)が捕らわれているのはほんの数か月だ」というくだりもあり、釈放に応じていないヨルダン政府へのいらだちもうかがえる。

  イスラム国は人質と死刑囚との交換を求め、イスラム国掃討を続ける米軍などの「有志連合」にくさびを打ち込もうとしている。今回も「ヨルダンにすべての政治的圧力をかけるよう、日本政府に伝えてほしい」として、日本とヨルダンに揺さぶりをかけた。シリアと国境を接するヨルダンでは、イスラム過激派の脅威が強まっている。イスラム国は、リシャウィ死刑囚の釈放などの要求を、あえて表面化させている。仮に釈放に失敗しても、ヨルダンを不安定化できる、との計算も働いているようだ。

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