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中国の空母「遼寧」=2014年7月、大連(AFP=時事)
【北京時事】中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩報道官は4日の記者会見で、5日開幕する全人代に提案される今年の国防予算の伸び率が前年比で10%前後になると明らかにした。総額は約8900億元(約17兆円)に達するとみられ、伸び率が10%以上なら5年連続の2桁増となる。中国は海洋支配をにらみ、海・空軍力の増強に拍車を掛ける方針だ。
傅報道官は「大国である中国は国家の安全を十分に守る必要がある」と訴え、今後も国防費が増加するとの考えを示した。中国の国防費は内訳が不透明で、実際には公表額を大幅に上回るとされる。
日本政府は中国の海洋進出を念頭に2015年度の防衛予算として過去最高の4兆9801億円を計上したが、予算規模では中国との開きはさらに拡大。米国も中国対抗などを名目に16年会計年度の国防予算を要求ベースで前年度比7.8%増額しており、軍拡競争が激化している。
中国軍は東シナ海や南シナ海での海洋利権確保に向け、旧来の陸軍中心の組織構造を転換し、海・空軍力を主体とした統合運用能力の向上を目指している。多額の費用を投じ、レーダーに捕捉されにくい最新鋭のステルス戦闘機の開発を進めるほか、空母「遼寧」に続く初の国産空母の開発も伝えられる。南シナ海では軍事施設建設とみられる動きを加速させており、フィリピンやベトナムなどとの対立も高まっている。
一方、反腐敗闘争を掲げる習近平政権は軍の実力者に対する汚職追及にも力を入れている。昨年には胡錦濤前政権時代の軍制服組トップだった徐才厚前中央軍事委員会副主席ら軍高官を収賄容疑などで相次いで摘発。今月2日にも徐氏と同時期に軍事委副主席を務めた郭伯雄氏の息子を含む軍高官14人の立件を発表し、今後郭氏本人への調査も本格化させる可能性がある。
これと並行して習国家主席は軍幹部の大規模な人事も断行。特に自身が22年間勤務した福建、浙江省を管轄する南京軍区出身者を要職に登用し、軍の掌握を図ろうとしている。米軍事筋は「腐敗を口実に陸軍を主体とした抵抗勢力を抑え、軍改革を推し進める考えだ」と指摘している。