政治そのほか速
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◇お年寄り、場所や時期特定
昭和期の鯖江の街を撮影した写真について、場所や時期を探る催しが29日、鯖江市本町の交流施設「らてんぽ」で開かれた。地元のお年寄り約10人が昭和30~40年代の風景など約20枚を眺めて特定していた。
写真は4月にも新設するスマートフォン用アプリ「鯖江今昔写真」で公開する。
鯖江の昔の姿を知る機会を設けようと、市産業観光ボランティアガイドの会などが企画。参加者は懐かしがりながら「この屋根の形は警察署」「病院があった場所だ」などと記憶を呼び起こし、「西山公園は昔スキー場だった」「日野川で水遊びした」と、昔話に花を咲かせていた。
催しの中心メンバーの久保田裕之さん(42)は「アプリで公開される写真を見るなどして、鯖江の昔の姿を様々な世代に知ってもらいたい」と話していた。
明治時代に活躍した三重県選出の衆院議員土居光華(こうか)(1847~1918年)が、伊藤博文や板垣退助ら当時の政治家や経済人らと交わした書簡215通が親族宅から見つかった。書簡は土居の自宅があった縁で松阪市に寄託され、市立歴史民俗資料館で「土居光華書簡展」として一部が公開されている。
ひ孫の赤塚邦代さん(77)(松阪市殿町)によると、書簡は東京都北区に住む赤塚さんの兄の自宅に保管されていたが、一昨年に兄が他界。兄の親族は「土居は松阪に縁があるので」と申し出て、赤塚さんを通じて同市郷土資料室に寄託した。
書簡には、板垣が1882年(明治15年)4月に遊説先の岐阜で暴漢に襲われた岐阜事件に関するものもある。事件2日後、吉田茂元首相の実父で板垣の側近だった竹内綱が土居に手紙を送付。「けがは大いに気になるが案外軽かった。次第に全快しますのでご安心ください」などとつづっている。
他にも、大隈重信、犬養毅ら首相経験者、実業家の渋沢栄一、破傷風菌の研究で知られる北里柴三郎、大倉財閥の創始者大倉喜八郎、辛亥革命の指導者・孫文など、近代史を語るうえで欠かせない人物との書簡が含まれ、大正時代に政界を揺るがした旧日本海軍への贈賄事件「シーメンス事件」なども話題となっている。
書簡の解読を進める郷土資料室の杉本喜一さん(57)は、「教科書に登場する人物の手紙が次々と見つかり、歴史的にも重要」と話し、書簡に解説文を付けた史料集を1年かけてまとめる予定。赤塚さんは「土居光華について広く知ってもらうきっかけになれば」と話している。
企画展は5月6日までで、月曜休館。書簡24点を含め、約50点の資料を展示している。入館料は一般100円、小中高生50円。問い合わせは市立歴史民俗資料館(0598・23・2381)。
近江八幡市安土町の「安土城天主 信長の館」で、安土城をコンピューターグラフィックスで再現した映像「絢爛(けんらん)安土城」の映写が始まった。
上映は15分間で、30~40人の観客が200インチの大画面でシアター型の仮想現実(VR)を楽しむことができる。築城の総棟梁(とうりょう)を務めた岡部又右衛門が、織田信長とも接したイエズス会宣教師のルイス・フロイスを天主などに案内し、城下町を眺める趣向となっている。
入館料は3月末まで、大人500円、高校・大学生300円、小・中学生150円。4月からはそれぞれ600円、350円、170円。月曜休館。問い合わせは同館(0748・46・6512)。(小宮宏祐)
サッカーJ2・ツエーゲン金沢は29日、岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で、FC岐阜と対戦し、2―0で勝利した。アウェー初勝利を挙げ、成績は2勝2敗。順位を10位に上げた。次節は4月1日午後7時から、金沢市の西部緑地公園陸上競技場で、愛媛FCと戦う。
ツエーゲンは前半、守備陣も積極的に攻撃に加わり、岐阜を自陣でのパス回しに終始させた。後半開始直後の47分、カウンターで抜け出したMF佐藤和弘が左足を振り抜き、先制弾。68分にはPKで、MF清原翔平が2点目を決めた。
◇
野々市市野代の家電量販店では、約20人のサポーターらがテレビの前で応援。得点の度に歓声が上がった。白山市井関町、中学2年山岸颯汰君(14)は「佐藤のゴールが気持ち良かった。次は絶対に観戦に行く」と、意気込んでいた。金沢市の会社員吉田太貴さん(27)は「買い物に来たが、試合に見入ってしまった」と、勝利を喜んでいた。
敦賀気比は29日の準々決勝で静岡(静岡)を今大会初のサヨナラ勝ちで破り、昨夏から2季連続でベスト4に進んだ。先制後、五回に追いつかれたが、九回にサヨナラ打で粘る静岡を退けた。昨秋の北信越、東海両大会の覇者による雨中の対決を約2万3000人が見守った。準決勝は大会第10日の第1試合で、夏春連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)と対戦する。
初回、先頭の篠原涼選手が敵失で出塁すると、4番平沼翔太選手が二死二塁の場面で、先制となる2点本塁打を右翼ポール際に放り込んだ。五回に味方の失策などで一挙3点を奪われて同点に追いつかれたが、最終回二死一、二塁の好機に、2回戦の仙台育英戦でも決勝打を放った林中勇輝選手が勝負強さを発揮して左越え二塁打を放ち、サヨナラ勝ちを決めた。
五回に自らの捕球ミスで同点の走者をかえした中堅手の山本皓大選手は「思ったより打球が伸び、判断を誤った。準決勝は集中して臨む」と話していた。
東哲平監督は「選手には集中力を切らしたら負けだと伝えていた。一戦一戦力をつけている」と目を細めた。
◇1球1瞬 サヨナラ打呼んだ選球眼
フルカウントからの6球目。真ん中への直球と思いきや、手元で外へ流れるように落ちた。読み通りの変化球、スライダーだ。思わずバットが出そうになるのを必死でこらえた。ボール。2番中井基継選手へのこの四球で、九回裏二死一、二塁。続く林中勇輝選手がサヨナラ打を決めた。
序盤に3点を挙げ、エース平沼翔太投手はこの日も四回まで被安打1と危なげなかった。だが、チームは得意なはずの守備からほころび始めた。五回に失策絡みでまさかの同点に追いつかれ、中井選手は七回の攻撃で「公式戦で失敗した記憶がない」という送りバントを失敗した。「平沼が3点もとられるはずがない」。動揺が気の緩みを招いた、としか言いようがない。
新チームの持ち味は堅い守りと、つなぐ野球。「守備とバントが得意」(東哲平監督)な中井選手はその象徴で、1回戦では2本の送りバントを確実に決めていた。だがこの試合、振り出しに戻された後の大事な場面で仕事をし損じた。
思い出せ。俺たちの野球を――。そう念じ、ナインで「延長戦になる前に試合を決めよう」と声を合わせて臨んだ最終回。迎えた好機でここ一番の集中力を発揮し、四球を選んだ。「どんな形でもいい。次につなかれば」と振り返った。
準決勝は、昨夏の準決勝で敗れた大阪桐蔭が相手。昨夏は「ベンチで何もできず、悔しかった」という中井選手は、「隙のない、つなぎの野球で先輩の借りを返す」と力を込めた。
(平井宏一郎)