政治そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
おもてなしでお迎えしよう――。北陸新幹線開業を記念し、県内各地で多彩なイベントが開かれた。
金沢駅では各地のミスらが、着物姿で観光客を歓迎した。ミス百万石の鳥居愛夢(あむ)さん(24)は「無事に開業日を迎えられて一安心。魅力あふれる街並みや食文化を体験し、『また来たいな』と思ってもらえたら」と話した。
金沢駅や金沢市の香林坊では、加賀獅子など伝統芸能が実演され、金沢市第2消防団此花町分団は、鼓門の下で加賀鳶(とび)はしご登りを披露。長野市から訪れた宮沢友子さん(77)が「初めて加賀鳶を見たが、どれほど練習したのかと感動した」と言うと、同分団員の堀江敏克さん(34)は「練習を増やしたかいがあった。開業記念日に多くの人に見てもらえてうれしい」と喜んでいた。
金沢市の観光名所の一つ「ひがし茶屋街」では芸妓らが、観光客に地酒を振る舞った。「かがやき」に乗って来た宇都宮市の会社員大野敦久さん(42)は「おもてなしが大変うれしい。みんなが金沢のことをもっと好きになる」と笑顔を見せた。芸妓の美月(みづき)さんは「みなさんに喜んでもらえた。茶屋街全体で歓迎したい」とうれしそうに語った。
歓迎ムードは夜まで続いた。金沢市の兼六園ではこの日からライトアップが始まり、多くの観光客がカメラを向けた。千葉県船橋市の大学院生真鍋亮さん(24)は「初めて来たが、水面に映る雪吊(づ)りがとてもきれい」と見入っていた。
◇学生浪曲師 5月公演へ稽古
上方浪曲界に3年ぶりの新人としてデビューした枚方市の関西外大2年、京山幸太さん(20)が、5月の国立文楽劇場公演に向けた稽古に励んでいる。高校を中退し、バンド活動にのめり込んだあと、魅せられた畑違いの道に進んで1年半。何度も痛めながら鍛えたのどで通を沸かせ、同じ世代のファンの心をつかめる浪曲師を目指す。(広瀬毅)
ここで短気は そりゃならん ぐっとこらえて 笑い顔――
5日夜、大阪市東淀川区の貸しスタジオの一室。師匠の京山幸枝若(こうしわか)さん(60)が見守るなか、曲師の一風亭初月(はづき)さんの三味線にあわせてみっちり2時間、仁侠(にんきょう)物「夕立勘五郎(ゆうだちかんごろう)」のせりふと節を練習した。師匠からは「しゃべりが早い」「もっと感情を出さんと」と指示が飛ぶ。
兵庫県加古川市出身で、本名は山本壮秀(まさひで)。中学時代にヘビーメタルのバンドを結成し、ボーカルとベースを担当した。「音楽で生きていきたい」と高校をやめたあと、高校卒業の認定試験を受け、好きな英語が学べる同大学への進学を決めた。ただ、その後も将来の目標が定まらず、迷っていた。
転機は、ツイッターで相談した作曲家からの言葉。「日本の芸にも興味がある」と伝えると、「一度、浪曲を聞いてみては」と勧められた。2013年3月、幸枝若さんの教室を訪ね、口演に感激して門をたたいた。
熱意を買われて同年9月、入門を許され、以来、学業と両立しながら浪花節として親しまれてきた様々な作品の暗記や、発声練習などを続けている。「夜、淀川の河川敷で大声を出していて、バイクの集団に取り囲まれたこともありました」と笑う。
幸枝若さんは「感情や、こぶしが出るようになってきた。1年半で3年分くらい、やれている」と話し、「人の心を打つ浪曲の魅力を、自分のやり方で引き出してほしい」と期待を寄せる。
「現代風にアレンジした方が、お客さんにも楽しんでもらえる」。幸太さんは先人にならい、言葉遣いをわかりやすく言い換えている。「ばかなことを申すな」は「あほなこというな」、「流行歌」は「ヒットソング」といった具合に。「若い世代に楽しんでもらえるように工夫したい。そのためにも、いまは基礎をしっかり身につけたい」
3年で年季明けといわれる世界で、折り返しを過ぎた。5月30日の公演に向け、幸太さんは「お涙ちょうだいだけではない魅力を発信して、幅広い年代のお客さんを引きつけたい」と意気込む。
◇特急ダイナスターも発車
北陸新幹線の長野―金沢間が開業した14日、県内でも新幹線との乗り継ぎがスムーズな特急列車の運行が始まった。JR福井駅構内では、観光情報コーナーが開設されるなど、旅行客らを迎え入れる体制が整った。(渡辺彩香)
■1歳の一日駅長
福井駅のホームでは、早朝と夜遅くに福井―金沢間を結ぶ特急「ダイナスター」の出発式が行われた。
ダイナスターは、特急「サンダーバード」「しらさぎ」と同じ車両を使い、1日3往復する。所要時間は他の特急と変わらない。
式では、JR西日本の橋爪毅・福井地域鉄道部長が「これまで特急のなかった時間帯にダイナスターが走るので、首都圏までが便利になる。北陸の魅力を全国に発信する大きなチャンス」とあいさつ。テープカットの後、「1日駅長」に任命された1歳児の合図で出発した。
「何かお手伝いできれば」という両親からの手紙に感激したJR西が就任を依頼した。父親(31)は「とても良い記念になった。恐竜博物館と、あわら温泉に行き、ダイナスターと北陸新幹線で楽しみながら帰りたい」と笑顔を見せた。
■観光コンシェルジュ
福井駅のコンコースには、4月の「ふくい春まつり」をPRするために桜の模様をあしらった観光情報コーナーが登場。女性の観光コンシェルジュ2人が、訪れた人たちに福井の歴史や文化、特産物を紹介した。
コーナー前での開設記念式で、福井市の東村新一市長は「新幹線の開業で全国の目が北陸に注がれている。一歩足を伸ばしてもらうための様々な事業を今後も展開していく」と述べた。
■周遊バス
京福バスは福井駅東口を発着する観光周遊バス「さくら号」の運行を始めた。4月30日までの毎日15便、北の庄城址(じょうし)、足羽山、「浜町」など市内の観光地を約30分かけて巡る。
車体には、28日から市立郷土歴史博物館で開かれる特別展「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」にちなみ、人気アニメ映画「ヱヴァンゲリヲン」のキャラクターを色鮮やかにラッピングしている。出発式の後、親子連れらが早速、バスに乗り込んでいた。
◇知事「観光地のパワーアップを」
北陸新幹線は2022年度には敦賀まで延伸される。だが、県や経済界はさらに、福井駅までの先行開業の必要性を訴えている。
西川知事は、金沢開業を「北陸全体で人の交流が増える」と歓迎する一方、「石川との差が出ないようにしなければ」と地域間格差を懸念。「東尋坊や恐竜博物館、永平寺といった観光素材を組み合わせ、パワーアップを図る」と話した。
県経済団体連合会の川田達男会長も「福井開業が遅れて福井が没落しないよう、1日も早く金沢以西の整備を進めるべきだ」と指摘した。そのうえで「福井にとって新幹線はツールであり、目的ではない。先行事例を参考に受け皿整備に取り組む」とした。
東山区の泉涌寺で14日、釈迦が入滅する様子を描いた国内最大とされる涅槃(ねはん)図(縦16メートル、横8メートル)の公開が始まった。16日まで。
涅槃図は江戸中期の作。横たわる釈迦の周囲で弟子らが悲しむ様子が描かれ、毎年、釈迦の命日(旧暦2月15日)前後に仏殿(重要文化財)で公開されている。
この日、参拝者らは天井まで届く絵を見上げ、静かに手を合わせていた。姫路市の会社員鷲尾郁代さん(59)は「今まで見た涅槃図で一番スケールが大きい。お釈迦様のいる世界に引き込まれそう」と見入っていた。
午前9時~午後4時30分。拝観料500円。15日は午前10時から涅槃会法要が営まれる。問い合わせは同寺(075・561・1551)。
雪も降っていないのに、樹木が真っ白になった不思議な光景が、県立明石公園(明石市)で頻繁にみられるようになった。内堀に茂った広葉樹林をカワウの群れが夜間「ねぐら」にしているとみられ、枝葉がそのフンで白く汚れるためだ。野鳥の専門家は「カワウが市街地をねぐらにするのは珍しい」とするが、公園の管理者は「観光名所だけに景観が悪化しないかが心配だ」とやきもきしている。(望月弘行)
バサ、バサ、バサッ……。夕暮れ時、黒い羽を広げたカワウがどこからともなく現れ、樹木に次々と降り立つ。羽を休めながら、低く鈍い鳴き声をとどろかせる。
公園を管理する県園芸・公園協会などによると、カワウが集団で現れるようになったのは2013年12月頃。正面入り口から西約100メートルの内堀土手にあるウバメガシなど十数本を「ねぐら」にするようになった。春には繁殖地へ飛び立ったが、昨年末には再び舞い戻ってきた。今年2月頃からは、葉や枝にこびりついた白いフンの汚れが目立つようになったという。
カワウは通常、水辺に近く、人けの少ない山林をねぐらや繁殖地にするといわれ、伊丹市の昆陽池や滋賀県の琵琶湖では樹木の枯死などの被害が深刻化。各地の河川でも放流アユの稚魚が捕食されるなどの被害が相次いでおり、全国で毎年約1万~3万羽が有害鳥獣として駆除されている。
JR明石駅前にある明石公園の周辺は住宅街で人通りも比較的多い。日本野鳥の会ひょうごの奥野俊博幹事は「周辺を車や人が頻繁に往来する市街地がカワウのねぐらになるのは珍しい」と話す。
県園芸・公園協会明石公園管理課の大豊雅宏課長は「今のところ木が枯れたり、人的被害を招いたりする心配はなさそうなので、しばらくは見守るしかない」と様子をみている。
4月になれば、繁殖地へ移動すると推測されるが、カワウの生態に詳しい滋賀県立琵琶湖博物館の亀田佳代子・総括学芸員は「巣作りを始めていないか注意する必要がある。繁殖地になれば、集団が大きくなったりして被害が拡大するかもしれない。樹木が枯れたり、フンによる富栄養化で水辺の水質が悪化したりする恐れもある。早めに方針を決めて対策を検討したほうがいい」と指摘する。