政治そのほか速
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日韓・韓日賢人会議であいさつする福田康夫元首相(右列奥)=22日午後、東京都港区(代表撮影)
日韓の政界や財界の有識者でつくる「日韓・韓日賢人会議」の初会合が22日午後、東京都内のホテルで開かれ、両国の関係修復に向けて首脳会談を早期に実現することが重要だとの認識で一致した。5月には韓国で次回会合を開く予定。
冒頭、日本側座長に就任した福田康夫元首相は「忌憚(きたん)のない意見を伺いながら、改善の道を探っていきたい」とあいさつ。韓国側座長の李洪九元首相は「今年は日韓国交正常化50周年の年。われわれも考えを整理し、まとめなくてはならない時だ」と訴えた。
会合では、安倍晋三首相が8月に発表する戦後70年談話について、日本側から「安倍氏はこれまでの談話を継承すると言っているから、それを信じてもらいたい」と伝達した。日本側からは河村建夫元官房長官ら、韓国側からは金守漢元国会議長らも出席した。
安倍首相は22日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し、集団的自衛権の限定行使を可能とすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案の成立に向け改めて強い意欲を示した。
首相は「戦後、わが国はひたすらに平和国家の道を歩んできた。しかし、それは平和国家という言葉を唱えるだけで実現したものではない」と述べた。自衛隊創設(1954年)や自衛隊の国連平和維持活動(PKO)への初参加(92年)などを挙げ、憲法の平和主義の理念に基づく「果敢な行動」と評価した。
その上で、「『昨日までの平和』は『明日からの平和』を保障するものではなく、国際情勢は絶えず変転している。不戦の誓いを現実のものとするため、私たちも決然と行動しなくてはならない」として、グレーゾーンから集団的自衛権まで切れ目のない対応を可能とする法整備が必要だと強調した。
この日は、卒業生が式の最後に、帽子を一斉に頭上へと投げる恒例の「帽子投げ」も首相がいる前で行われた。例年は首相の退席後に行われていた。
今年度の卒業生は留学生を除き472人(女性45人)で、自衛官にならない任官拒否者は25人だった。
インタビューに答える自民党の船田元・憲法改正推進本部長=12日午後、東京・永田町の衆院第2議員会館
自民党の船田元・憲法改正推進本部長は時事通信のインタビューに応じ、来年夏の参院選後の憲法改正発議を目指す一方、戦争放棄をうたった9条改正は後回しにし、実現可能な改憲案を順次提示する考えを示した。9条改正は「2回目以降で、3、4回目の可能性もある」とし、改憲4段階論にも言及した。発言要旨は次の通り。
-憲法改正のスケジュールは。
われわれの希望としては今通常国会中に1回目の憲法改正のテーマを深堀りして、どこをどう改正するか与野党で議論する。秋の臨時国会でテーマを三つか四つに絞り込みたい。来年の通常国会で憲法改正原案を提示し、来年夏の参院選後、秋の臨時国会で衆参両院それぞれ3分の2以上の賛成を得て、憲法改正を発議したい。
-安倍晋三首相に説明した際、首相からは。
首相は発議と国民投票について「常識的には参院選の後だね」と。(2月4日に)首相に会ったのは、憲法改正推進団体や自民党内に「9条改正を早くやれ」という声が多く、それは無理で参院選には間に合わないと確認したかったからだ。
-改憲の優先項目は。
環境権創設、武力攻撃や災害時の緊急事態、財政健全化の条項の3点。最高裁判所裁判官の報酬を減額できないとしている79条や、私学助成で問題となっている89条も検討対象だ。
-最初に9条改正ではなく、各党合意が得やすい項目から取り組む理由は。
まず9条は無理だろう。われわれはその前に「慣れる」ということが必要だと思っている。憲法改正発議も国民投票も初めてとなる。最初から世論を二分する難しい問題から取り組むのはリスキーな部分がある。仮に否決されると、本来改正できる項目もしばらくはできなくなる。憲法改正に賛同できる政党を増やすため、一定の時間も必要だと思う。
-だから憲法改正は2段階で進めるのか。
実際は4段階ぐらいある。4回ぐらい発議して順番にやっていかないと憲法改正は完成しない。憲法改正はいっぺんに全部できるものではない。1回の国民投票で賛否を問うのは3、4問。例えば投票所に行くと投票ブースが3カ所あり、1問ずつ投票用紙を渡されて賛成か反対かをマルで囲む。憲法改正項目の一覧表に賛否を書くわけではない。自民党の憲法改正草案は改正部分が100項目ぐらいあるが、全部は無理だ。幾つか選んで重要なものをまとめなければならないが、それでも(改正項目は)15~20にはなるだろう。
-9条改正は2回目か。
まだ分からない。
-3回目、4回目となるかもしれないのか。
その可能性もある。2回目に9条改正もあり得る。2回目以降に9条改正の可能性があるということだ。
【ソウル共同】岸田文雄外相は21日、中国の王毅外相と訪問先のソウル市で会談した。沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入を念頭に、偶発的衝突を回避するための仕組み「海上連絡メカニズム」の早期運用開始を要請した。「関係改善の機運を高めなければいけないが、東シナ海ではそれに反する動きがある」と懸念を伝えた。王氏は中国側の立場を説明した。
日中関係をめぐり岸田氏は、昨年11月の首脳会談後、改善に向かっているとの認識を示した。
王氏は、1972年の日中共同声明など「日中間の(国交正常化などの)四つの基本文書を守ることが大切だ」と指摘した。
【ソウル共同】岸田文雄外相、中国の王毅外相、韓国の尹炳世外相は21日、ソウル市内のホテルで会談し、日中韓首脳会談の早期開催に向け努力する方針で一致した。ただ時期は決まらなかった。過激派組織「イスラム国」を念頭に、3カ国によるテロ対策協議の再開で合意。王氏は安倍晋三首相が夏に発表する戦後70年談話を念頭に歴史認識問題で善処を求めた。
日中韓外相会談は2012年4月以来3年ぶり。3カ国会談に先立ち、日中、日韓の個別会談も開催した。一連の会談開催は、関係改善の機運が背景にあるが、談話をめぐり溝が残った。
【共同通信】