政治そのほか速
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ヘソクリを含むタンス預金が約44兆円あると言われる日本。配偶者にこっそり派、家族公認派がいるが、ヘソクリを通じて現代のリアルな夫婦の姿が浮かび上がった。
しこたま貯めたヘソクリを妻はどこへ保存しているのだろうか。
表はその一例だが、タンス、冷凍庫、妻の実家、バッグの中と夫があまり近寄りそうもない場所を選んで分散させていることがわかる。
「夫はめったに台所に立つことはないので、米びつの底にまさか現金が隠されているなんて夢にも思わないでしょうね」(34歳女性・商社)
現金ヘソクリ派が主流だが、結婚前の旧姓でつくった口座を秘密口座とするケースも少なくないようだ。
「銀行にヘソクリ口座を設けていたのですが、未記帳に関する通知で夫に発覚してしまったことがありました。夫は怒りませんでしたが、ヘソクリ口座は特にこまめに記帳したほうがいいですよ」(31歳女性・教師)
ただし、収入のない専業主婦が離婚する場合、夫の収入からヘソクリした分は財産分与の対象となることが多く、通帳のある銀行口座などでは証拠が残って半分は夫のものとなってしまう。そこで、妻は秘密の場所へ隠すのだ。
「通帳やハンコのいらないネット銀行にヘソクリを入金しています。先方から自宅に届く通知を書類や手紙などではなく、メールでもらえるよう手続きしています」(37歳・専業主婦)
なるほど、この手法は夫が妻に内緒でヘソクリする場合でも使えそうだ。この方法を応用して、ヘソクリで投資信託するときも、分配金の知らせはPDFなど電子交付の仕組みを利用するといいのかもしれない。
では、ヘソクリの使い方はどうか。
調査結果(表参照)を見れば、夫も妻も「子供のため」「家族でのレジャー・旅行のため」が多く健全だが、プレジデント誌の見立てでは、これはあくまで建前の意見。「離婚対策」という回答項目があったら、妻の1位はダントツで決まりだったのではないか。また取材では妻は個人消費に使う傾向が強かった。
「家計費で払うのはためらわれるようなことにヘソクリを投入しています。歯のホワイトニングやアイライン、それにエステや整体にもたまに使っていますね。ママ友とのちょっと豪華なランチにも。そんなセレブ気分を味わいたいからこそ一生懸命ヘソクリしているんです」(34歳・専業主婦)
いわば、自分へごほうびするためのヘソクリというわけだ。
一方、ヘソクリをさらに増やそうと運用しているのは3割超と少数派で、妻は圧倒的に円定期預金と安定志向がうかがえる一方、夫は株式や投信、外貨預金などリスク性商品へ目を向けている。
大塚常好=文