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新幹線の線路設備を検査する「ドクターイエロー」は有名ですが、そうした車両は在来線や私鉄などにも存在しており、近鉄では「はかるくん」という検測車が走っています。普段、出会うだけでも難しいこうした車両。近鉄がその車内見学ツアーを始めて実施します。
近鉄の「ドクター」を初公開
近鉄は2015年3月20日(金)、電気検測車「はかるくん」の車内見学ツアーを初めて実施すると発表しました。
「はかるくん」は、営業列車と同じ速度で線路の状態などを測定できる車両。新幹線でいうところの「ドクターイエロー」です。2007(平成19)年3月に2両編成が導入され、近鉄によると製造費は約4億4000万円といいます。
また「はかるくん」は大阪線などを走っている2410系という旅客用電車を改造したもので、最高速度は110km/h。その速さで電気や信号、通信設備などを同時に検測することが可能です。主な検査項目は「架線の磨耗」「架線の位置(高さなど)」「パンタグラフと架線の接触状態」「パンタグラフが受ける衝撃」「ATS地上子の周波数」「指令無線の電界強度」など。近鉄には線路の幅が大阪線など1435mm(標準軌)の路線と、吉野線など1067mm(狭軌)の路線がありますが、車輪(台車)部分を付け替えることで標準軌と狭軌、両方の路線で検測走行できます。
「はかるくん」車内見学ツアーは5月17日(日)に吉野駅(奈良県吉野町)で行われ、参加には近鉄各駅営業所で申込みが必要です。旅行代金は発駅から吉野駅までの往復運賃やイベント参加記念品代などを含め、大阪阿部野橋駅発の場合は大人2500円、小児1830円(小学生未満の乳幼児の参加、同伴は不可)。特急利用の場合は別に特急券が必要ですが、事前申し込みを行うと割引料金で購入できるそうです。
車内見学は当日12回の実施で、定員は各回30名。1回あたり約10分間、見学することができます(最少催行人員は各回15名)。また参加者には「はかるくん」を図案にした参加記念トレカと車両概要書が配られます。
近鉄は「普段立ち入ることができない電気検測車『はかるくん』の車内を見学していただくことにより、より一層鉄道に対する理解と親しみをもっていただければ」と話しています。