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歴史的建造物や自然に恵まれ、観光振興にもつなげようと県や市町で適地を探して受け入れ態勢を整えており、競合が激しいロケ誘致でも実を結びつつある。
同大賞は、ロケ地を紹介する専門誌「ロケーションジャパン」(地域活性プランニング発行)が企画。過去のグランプリには、NHK大河ドラマ「龍馬伝」(高知県、2011年)、連続テレビ小説「あまちゃん」(岩手県久慈市、13年)などが名を連ねる。
2000人のアンケートや、撮影の受け入れ態勢、公開前後での撮影地への観光客数などを審査。「るろうに―」は、彦根城(彦根市)や日吉大社(大津市)など国宝を持つ名所を含め、県内で重要なシーンが多く撮られた。大河ドラマ「軍師官兵衛」(兵庫県)、映画「ホットロード」(神奈川県藤沢市)など16候補から選ばれた。
前後編2作とも300万人以上を動員し、昨年の実写邦画の興行収入で上位を占めた。県などが02年に設立した「滋賀ロケーションオフィス」を通じて誘致に成功。文化財で撮影する調整などがスムーズで、同オフィスが自ら滋賀県内ロケのシーンを集めた予告編や県内のロケ地をたどる地図を作るなど、発信と誘客の工夫も称賛された。
封切り後の14年9、10月は、日吉大社の観光客数が前年同期比1・4倍以上に。ロケ地の一つ、日野城跡(滋賀県日野町)も1・5倍以上に伸ばした。
同県内で撮影される映画やドラマは増えている。元々、京都の撮影所に近く、時代劇のロケスポットなどもあったが、13年度だけでも、同オフィスの誘致で撮影が実現した作品はCMも含めて89本あった。ロケ日数は計277日。09~13年度の5年間の撮影実績は360本にもなる。撮影支援に取り組む全国のフィルムコミッションでも、278団体中15位と健闘している。
交通アクセスが良く、昔ながらの里山風景や歴史的建築物などが多いのが強みだ。同オフィスは候補地を地域別に登録し、湖岸、寺社仏閣、廃虚などの内訳で300以上をホームページで公開。地元の炊き出しなど撮影スタッフへのもてなしも温かく、リピーターになる監督も多いという。
同誌の山田実希編集長は「日常の風景の中に趣のある景色や建物が残っている。受け入れ態勢も素晴らしい」と絶賛。同オフィスは「受賞を機に、滋賀が舞台の小説や漫画の映像化を働きかけ、県内の撮影場所に足を運んでもらえる仕掛けを作りたい」と意気込む。
(小野圭二郎)