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「山自体が崩落するとは」と市長…2人死亡事故

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「山自体が崩落するとは」と市長…2人死亡事故

 浜松市天竜区佐久間町川合の山肌が崩れ、土砂崩れを監視中の安野彰恭さん(57)と茶谷富士雄さん(45)の同市職員2人が国道473号の原田橋ごと転落して死亡した事故は、一夜明けた1日、現場の惨状が徐々に明らかになってきた。

  現場は崩落の危険性があることから調査は難航しており、仮設道路の整備にも時間を要する見通しだ。また、突然の死を前に、遺族や同僚らは悲しみに包まれた。

  「崩落が収まるまで近寄れない」。1日午前に現場検証を行うはずだった静岡県警天竜署員らは無念そうに語った。同署によると、崩落の危険性があり、午前9時50分から15人態勢で実施予定だった検証は見送り、離れた場所からの状況確認にとどまったという。

  市によると、現在も落石が続いているといい、「今後、大きく崩れる可能性を否定できない」としている。

  同日午後1時頃から、現場を訪れた浜松市の鈴木康友市長は「一瞬の衝撃のすさまじさを感じた。山自体が崩落するとは予想しなかった」と感想を述べた。

  原田橋は1956年に完成したつり橋。2011年秋頃にケーブルの一部の破断を確認。12年4月にはケーブルのずれが判明し、一時全面通行止めになるなど、老朽化が目立ち、現在は新しい橋を建設中だった。

  市幹部は、落橋の原因について、老朽化よりも土砂の重みでバランスを崩したものとの見方を強めている。「山と橋をつなぐケーブルの根元部分(下流側)が根こそぎはがれ、大量の土砂の重みでバランスが崩れたのでは」との見解だ。市は今後、専門家を招いて詳細な原因を調査する方針だ。

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