国内在住のパキスタン人でつくる「在日パキスタン人協会」は６日、近く発売が予定されている、仏政治週刊紙「シャルリー・エブド」に掲載されたイスラム教預言者ムハンマドの風刺画などを載せた本について、出版社「第三書館」（東京都新宿区）に発売中止を求める抗議声明を出した。

　　本は「イスラム・ヘイトか、風刺か」の題名で、イスラム関係の二十数点を含む風刺画約５０点を掲載。ムハンマドの顔にはぼかしを入れている。早ければ１０日に店頭に並ぶという。

　　パキスタンはイスラム教国。東京都内で記者会見した同協会のフセイーン・ハーン会長（８２）は「第三書館は我々の預言者ムハンマドを嘲笑するような風刺画を集めた本を販売しようとしている」と声明文を読み上げ、「ムハンマドの風刺画を載せること自体が世界中のイスラム教徒を侮辱する行為」と話した。

　　これに対し、第三書館の北川明社長は「シャルリー・エブドの漫画は表現の自由として許されるのか、出版を通じて問題提起がしたい」としている。