政治そのほか速
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東日本大震災から4年を前に、沿岸部では新しい住まいを確保する被災者が増えている。「やっと仮設住宅を出られる」「住み慣れた地は離れたくない」。一方、再建のめどが立たない被災者は焦りと不安を募らせる。
「やっぱり自宅は暖かいね」。岩手県釜石市の中島秀子さん(65)はしみじみと語った。3年5カ月間、仮設住宅で暮らし、昨年12月から夫と次男夫婦と新築の2世帯住宅で新生活のスタートを切った。「まだ慣れないけれど、一から出直し」と笑顔を見せる。
新しい家は、津波で全壊した元の自宅から1キロほどの高台に建てた。「津波の心配がないからいいよ」と安心した様子の中島さん。仮設を出るときは離れ難い気持ちもあったといい、週に数回は仮設にいる友人を訪ね、茶飲み話をする。
同県大船渡市の金野綾子さん(71)は、今も息子と高校2年の孫と仮設住宅に住む。仙台市在住の次女から一緒に暮らそうと誘われたが、「知らない場所に行くのは不安」ととどまり、昔からの知人と共に高台へ集団移転する。
ただ、移転先は市内で最多の34区画の宅地を整備する場所で、来年3月末に終わる予定だった造成工事は1年ずれ込んだ。孫は卒業後に地元を離れる予定で、新居では一緒に住めない。「じれったいけど、新居は人の集まるような家にしたい」と完成を心待ちにする。
宮城県気仙沼市の小野道子さん(70)は猫1匹と仮設住宅で静かに暮らす。希望していた戸建ての災害公営住宅は人気が高く、抽選で外れてしまった。「戸数も少ないから難しい。仮設は狭いし、夏は暑くて冬は寒い。早く出たい」
別の公営住宅にも応募する予定だが、ペット可の物件は少ない。所有する土地の換地が近々決まる予定で、新築も検討しているが、宅地の造成はまだ先になる見通し。「いつになったらここを出られるのか」と不安は拭えない。