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独自クラウドに取り組む足立区、TCO削減で成果

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独自クラウドに取り組む足立区、TCO削減で成果

 独自クラウドに取り組む足立区、TCO削減で成果

 約68万人を抱える東京都足立区は、2009年に策定した「電子自治体推進計計画」を皮切りに、区の業務を担う3種類のプライベートクラウド基盤「内部業務基盤(一般業務向け)」「学校教育基盤(学校業務向け)」「基幹業務基盤(住民サービス業務向け)」の構築してきた。これにより、2014年度末に約10億円の総所有コスト(TCO)の削減を見込んでいる。
 
  クラウド構築の狙いは、サイロ化状態にあった400近いシステムの最適化と、“ベンダーロックイン”からの脱却、約7割を占める運用コストの削減。調達や設計などシステム関連の標準化、業務の可視化や整備といった広範な取り組みを最高情報統括責任者の浦山清治氏や情報システム課を中心に、ユーザー主体で推進してきたのが特徴だ。
 
  コスト削減の取り組みとして例えば「学校教育基盤」では、区立の小中学校(2014年度は107校)に配備していたPCのうち8000台が、2014年4月のWindows XP サポート終了の対象になった。全てのPCの入れ替えに要するコストは8億円(1台あたり10万円で計算)だったが、ベンダーの見積りはキッティング費用込みで32億円になったという。
 
  このため同区は5年間使用した3800台のPCを再活用して、NutanixのブレードサーバやCitrixのXenDesktopによる仮想デスクトップ基盤を構築。2012年1月に調達を開始し、3月に基本設計、4月に詳細設計、8月の夏季休暇に実装を行い、9月には全教職員が仮想デスクトップを利用する環境を実現させた。これによってPCの調達コストを4億円削減した。
 
  2013年度から「内部業務基盤」を含む業務システムの仮想化と共通基盤への移行を進め、2014年度は「基幹業務基盤」の移行にも着手、同度末にほぼ終える見通しとなった。この中では計47カ所の区民事務所および福祉事務所、健康保健センターなどに設置された約1200台のPCをシンクライアントに切り替えている。2015年度からほぼ全ての業務アプリケーションが、プライベートクラウドによる3つの業務基盤で本格稼働する予定だ。一連の取り組みで約10億円のTCO削減を見込んでいる。
 
  浦山氏によれば、デスクトップ仮想化については、区が要求した特定仕様と5年以上の使用に耐えられるかという点でシステム構成を検討し、ベンダーを前提したという。特に短い構築期間や低いコスト、セキュリティ対策およびサービス監視の一元的な運用性などを評価したという。…

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