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岐阜県博物館(関市小屋名)の河部壮一郎学芸員(29)が北海道で発見した絶滅哺乳海獣「パレオパラドキシア」の骨の化石が、通説よりも200万年以上古い新生代・中新世の2400万年前~2100万年前のものだったことが分かった。パレオパラドキシアの化石では世界最古という。河部学芸員と東京大大学院生、松井久美子さん(26)が共同研究し、7月に発行される日本古生物学会の学会誌に論文を発表する。
【想像図】パレオパラドキシアはこんな動物?
パレオパラドキシアはデスモスチルス類の哺乳類に属し、カバに似たずんぐりとした体形で、ゾウやジュゴンの親戚に近い。通説では、中生代後期に恐竜が絶滅した後、新生代・中新世の約1900万年前~1200万年前に北太平洋沿岸に生息したとされる。北米サンフランシスコ近辺のほか、国内では1950年に岐阜県土岐市泉町で、81年には埼玉県小鹿野町でともに全身骨格化石が発見され、埼玉県の化石が1900万年前で最古とされてきた。
河部学芸員は東京大大学院生だった2010年6月に北海道北部の羽幌町で10センチ前後の骨の化石3点を発見した。松井さんが調べた結果、パレオパラドキシアの上腕骨、肩甲骨、肋骨(ろっこつ)の一部と分かった。体長は約1・5メートルと推定され、発見地域の地層から通説より200万年以上さかのぼる約2400万年前~2100万年前の化石であることを突き止めた。
河部学芸員は「パレオパラドキシアは北関東を中心に暖かい海域に生きていたとされていたが、北海道北部の寒い地域にも生息していたことが確認できた。今後は日本と北米を結ぶベーリング海峡から化石が発掘されると、研究はさらに進む」と期待を寄せる。
上腕骨など3点の化石は5月6日まで、県博物館で展示される。問い合わせは県博物館(0575・28・3111)へ。【立松勝】