政治そのほか速
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都心の映画館の分布図があと数年で大きく変わろうとしている。戦前から日本映画界の代表的な映画館であった日劇(現TOHOシネマズ日劇)が2018年に閉館すると決まったのだ。同年、近隣の日比谷地区に大型シネコンができることに伴う閉館だという。
日劇は“日本劇場”の名称のとおり、今に至るも映画興行界の最上級映画館だ。立地の良さや劇場の風格もさることながら、とくに洋画の場合、普段から映画界の最大話題作が率先してここで上映されるのが原則。まず日劇の公開が決まり、全国のシネコンなどの上映館が順に決まっていく。
その日劇がなくなると洋画の番組編成の形が大きく様変わりする。一番の話題作はこれから一体どこがメーンになって上映されるのか。順当に考えれば、日比谷の新シネコンと思われる。
だが、都内はほとんどの映画館がシネコンになるのでほぼ横並び。メーンをどこにもってくるのかは配給会社の思惑もからみ、本当にケース・バイ・ケースになってしまう。そんな編成になってしまえば必然的に一番の話題作となる映画の“ヒエラルキー”が消滅するのだ。
都内は今年から数年間はシネコンラッシュになる。決まっている新宿、上野、池袋、日比谷の他にも候補地はある。山手線沿線を中心にした映画館の分布図が、これから一気に拡散していくことになる。
有楽町マリオンにある日劇や丸の内ピカデリーは単館型の大劇場なのでゆったりと見られるメリットが大きい。シネコンばかりになると、年配者の中には気軽に見られないという人も出てくるだろう。
とはいえ、2020年東京五輪に向かって映画界が大きく動き出したのは間違いない。
(映画ジャーナリスト・大高宏雄)