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やりたいことに情熱を…稲川淳二さん

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やりたいことに情熱を…稲川淳二さん

やりたいことに情熱を…稲川淳二さん 

タレント

 

  • 稲川淳二さん(佐々木紀明撮影)
  •   勉強は嫌い、ケンカはする。

      丸刈りを義務づける校則に抗議して、教室の机と椅子を全部、外に出してしまったこともあります。東京都立多摩工業高校時代、やんちゃな私を一目見ようと他校の生徒が校門前に集まったこともありました。

      でも単なるワルじゃない。正義感は強くてねえ。駅で仲間がチンピラに絡まれたり、本屋で女子が他校の男子にからかわれたりすると、助けにいきました。

      テストの成績は悪かった。数学で赤点取った時は、先生に「のっぴきならない事情で準備ができませんでした。今後、点を取れるよう頑張ります」と一筆書いたなあ。ユーモアと要領で何とか切り抜けようと画策したんだ。本当に困った男でした。

      カンニングペーパーを作ったこともある。リポート用紙の1行に、小さな文字で3行びっしり書き込む器用な技を持っていました。ただ夢中になって作っていると覚えちゃうんですね。しかも試験中は、答えを見られる安心感で妙に落ち着くんだなあ。結局、カンニングペーパーは使わずに済みました。

    • 乗馬体験をする高校時代の稲川さん

        高校で3年間担任だった飯塚幸郎先生は当時30歳代。よく面倒をみてくれました。保護者面談は他の人が5分のところうちは45分。先生は「話が面白くて頼りになる」「要領の良さを勉強にいかせば成績も上がる」と言ってくれました。

        先生の口癖は「やりたいことに情熱を燃やし、堂々とやれ」。必要以上にその教えを守って、随分迷惑かけちゃったなあ。でもそのおかげで色んな経験ができて仕事に役立ってます。個性を受け止める大人の存在はいつの時代も大事ですね。(聞き手・桜木剛志)

      プロフィルいながわ・じゅんじ 1947年、東京都出身。今年で22年目となる「稲川淳二の怪談ナイト」を10月まで全国各地で公演中。工業デザイナーとしても活躍。

       

        (2014年8月7日付読売新聞朝刊掲載)

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