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マツダ「CX-3」は、デミオのコンポーネントを使って構築されたSUVで、ラインナップ的にみると成功モデルCX-5の弟分に当たる。
成功モデルCX-5の“弟分”
[写真]マツダの新型コンパクトSUV CX-3はBセグメントでありながら、クラス感不明の印象を受ける。その影響でBセグメントに漂う宿命的な安物感がかき消されている
駆動方式はFFと4WDの2種類があり、トランスミッションはトルコンの6段ステップATと6段マニュアルが選べる。駆動方式とトランスミッションは「4WDを選ぶとMTが選べない」のようなことはなく、しばりなしでどれとでも組み合わせできる。
トリムは「並」にあたるXDと「上」のXDツーリングがあり、XDツーリングにオプションのパッケージセットを加えたLパッケージがある。基本的なところから言えば、XDのみがタイヤサイズ16インチで、XDツーリングから上は18インチだ。ディーラーオプションは別として、メーカーオプションではXDに18インチを選ぶことはできない。後で詳述するが、乗り心地的にもハンドリング的にもお勧めは18インチの方。タイヤサイズについては大抵はしょぼい方がよいことが多いのだが、CX-3に関してはそういうことになっていないので気を付けたい。
Lパッケージは、レーダークルーズや衝突軽減ブレーキ、車線逸脱警告、死角警告などの安全装備が全部盛り込まれている。値段は高いものの、結果的にこれが一番お勧めということになってしまうかも知れない。
他の装備はともかく、特に中高速で使える衝突軽減ブレーキの有無は、2015年の今、結構重要なポイントになってくるはず。時速30キロ以下で働く赤外線レーダー方式の衝突軽減ブレーキは全グレードに標準装備されるが、それ以上の速度をカバーするミリ波レーダー方式のブレーキシステムは、XDツーリングLパッケージでは標準装備、XDツーリングはオプション、XDではそもそも設定がない。前述のタイヤの話も含めると、XDはよっぽどのミニマリストでない限り選ぶ意味がない。
この他に機能系のオプションを挙げると、コンデンサーを使ったエネルギー回生で、発電のほとんどを減速時に済ましてしまう(ということは走行時に発電機を回すロスが減る)i-ELOOPと新開発のノック音制御機構のナチュラルエンジンスムーザー(後述)があり、XDツーリング以上のAT車のみにセットでオプション設定される。
BOSEのオーディオは嗜好的オプションなので言及しないが、装備するとトランク床下の収納スペースがサブウーファーに浸食されることだけは機能面の話として記しておく。
世界初のディーゼル制音機構を採用
[画像]丸棒を削っただけの単純な仕掛けでディーゼルのガラガラ音を軽減したナチュラル・サウンド・スムーザーのアップ。中央部だけ外径が0.1ミリ太くなっており、この部分がピストンピンに圧入される。両サイドはくびれを境に振り子の様に振動し、音の振動に対してダイナミックダンパーとして働く
CX-3の話題のひとつは全車ディーゼルというグレード構成だろう。これはマツダ自慢のSKYACTIV-D 1.5で、基本はデミオと同じものだが、トルクが20N・m増えている。マツダとしてはディーゼルをイメージリーダーとして売って行きたい。
エコエンジンとしてはガソリンのSKYACTIV-Gもキチンと改良されているし、まだまだ伸び代はある。しかし他社がハイブリッドだ小排気量ターボだとわかりやすく名前のついた「エコエンジンらしさ」を訴求してくる中で「普通のガソリンエンジンも頑張ってます」ではいかにも弱い。そこは「欧州で評判の新世代ディーゼルです」と訴求出来た方が話としてわかりやすい。
[画像]中央部だけ圧入されている様子がよくわかる
「ディーゼルならマツダ」というイメージがもう少しで固められそうな状況でディーゼル推しになるのは企業として当然の戦略だと思う。ちなみにCX-5が出るまでは、マツダ社内でも、エコエンジンの主軸にディーゼルを据えることに賛否両論はあったらしい。石原元都知事があれだけ騒いで、ほぼ絶滅させてしまったディーゼルで本当に行けるのかどうか、それは当時としては危惧があって当然だろう。
しかしCX-5の成功でマツダは手応えを掴んだ。ふたを開けて見れば、販売台数の8割がディーゼル。続くアテンザでも8割を占めた。販売価格が勝負の分かれ目になりやすいBセグメントのデミオでも6割を超えた。車両価格はガソリンモデルの最廉価モデル135万円に対し、ディーゼルの最廉価モデルは約42万円高の178.2万円と大きな差額があるにも関わらずだ。
[画像]ガラガラ音が伝わっているほど色が明るく表現されている。右はナチュラル・サウンド・スムーザーがついているもの。振り子が振動を吸収するためほぼ全部が青くなっている
実際CX-3の概要はCX-5の発売に前後して決まったらしいので、それらの動き全てが「全車ディーゼル」を決めたとは言い難いのだが、実績を積んだことで自信を深めて行ったことは容易に推測できる。
また、今回は世界初となるディーゼルエンジンの制音機構「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を採用している。写真を見てわかる通り、金属棒に2か所のくびれを入れただけのものだ。肉眼ではわからないが、これは中央部の径だけが0.1ミリほど太くなっており、中空のピストンピンにこれを圧入すると、両サイド部分は自由に振動できる。つまりダイナミック・ダンパーとして働くわけだ。
[画像]ナチュラル・サウンド・スムーザーがついているエンジンとついていないエンジンの騒音比較グラフ
燃焼圧力がピストントップを押し下げる。力はピストンピンを経由してコンロッドに伝わり、コンロッドのビッグエンドを変形させながらクランクに伝わる。この時の騒音の波形を調べると、3500Hz付近にピークを持つ周波数成分が他に比べて強くなっており、これがガラガラというディーゼルの騒音の元凶になっていること、それがピストンピン付近で発生していることをマツダは突き止めた。であれば3500Hzで共振するダイナミックダンパーをどこかに装着すればそのピークを吸収できる。都合よくピストンピンは中空なので、その中にダイナミックダンパーを収めれば良い。
この機構は仕組みも理屈も極めて簡単で、原因を特定して突きとめること、ダイナミックダンパーを実装する場所を見つけることにほぼ全ての意味があるコロンブスの卵的なソリューションだ。ちなみにどこかのサプライヤーの技術なのかと聞いてみたら、エンジニアの答えは「マツダ内製です」とのこと。
パワートレイン刷新で運転環境は良好
シートに座ってみると、ポジションは良好だ。右ハンドルの場合、どうしても前輪がアクセルペダルを左へ押し出す。それにつられてブレーキも左による。対処方法は大きくふたつある。一つ目はシートを後ろに下げてしまうことだ。そうすれば前輪の影響は受けない。ところがそうやってフロントシートが後退すれば、リアシートのスペースかラゲージが削られる。小型車の様にパッケージ効率が重要な車種ではフロントシートは下げたくないのだ。
そうなると、前輪を前に押し出すしかない。ところが前輪の位置は、パワートレーンで決まってしまう。パワートレーンは一度設計したら何十年も使わないと元が取れないので、そうしょっちゅう新規に設計されない。マツダの場合、このパワートレーンの刷新タイミングがたまたまやってきたので、デミオのパッケージを構築するに際して前輪位置を前に押し出すことが可能になったのである。そうした根本的な改良のおかげで、デミオの基本骨格を使ったCX-3も運転環境は良好だ。
フロントシートはクッションが柔らかく、低反発系の素材なので座ってから馴染むまでに時間がかかる。実際走りだして10分後位になって腰の後ろのサポートが少し不足した感じになった。減点要素だと思っていたら20分後には違和感が消えていた。今回は試乗時間が1時間に限られていたので、数時間単位で乗った時どうなるかは別の機会に確かめてみたい。シートのヘリはBセグメントとしては例外的にしっかりしておりサポートは良好だ。
タイヤサイズで変わるハンドリング
[写真]タイヤサイズは16インチと18インチの2種類用意されるが、乗り心地でもハンドリングでも18インチに軍配が上がる珍しいケースだ
エンジンは低速から力があり、レスポンスは自然でリニア、全開にした時に怒涛のトルクを求めるのは1.5リッターには酷というもの。全負荷での速さは特筆するほどのものではなく、必要にして十分。むしろ通常のドライブ時に使い易い程度に低速トルクが出ており、ちょっとした勾配を変速させずにアクセルのわずかな踏み足しで登ることが自然にできる。そのあたりのエンジンとミッションの連携はよくできている。高速巡航での速度管理もしやすい。一言で言うと刺激的な楽しみはないけれど普段使いに楽なパワートレーンだと言える。
乗り心地は普通。特別良くもないが悪くもない。魔法のじゅうたんばりに路面の凸凹を難なくこなすという感じではないけれど不快な感じはない。その辺はむしろデミオより快適かもしれない。
ハンドリングは16インチと18インチでだいぶ印象が変わる。ある程度旋回が長いコーナーでは16インチモデルは切り足しが必要になる。コーナー入口で決めた舵角そのままで、アクセルで微調整しながら曲がっていくことができない。
進入してすぐ脱出の様なコーナーでは問題ないのだが、ある程度旋回が入ってくるような回り込み方になると、追加の切り増しが必要になる。切ればちゃんと曲がるので問題ないと言えば無いのかもしれないが、切り足す操作を求められるとやはり感覚的にはクルマが軽快に曲がっているようには感じられず、ちょっとよっこらしょ感がある。
マツダのクルマは比較的ハンドル依存性が高い感じは以前からあり、スロットルのオンオフでラインをコントロールしようとしてもあまり反応しない。スロットルよりハンドルを切ってくれというニュアンスが強い。しかし不思議なことに18インチモデルはそういうことになっていない。決してキビキビしているタイプではないが、落ち着いて自然に曲がる感じは普段のアシとしてとても納得がいくものだった。
高速道路の直進安定性は高い
4WDは全体に少しマイルドになる。発進した瞬間からフリクション感があり重さも感じる。FFと比較すればやはりそこに歴然とした差があるのだが、では走っていて気になる程かと言えばそうではない。基本的には生活四駆なのだと思うが、ウェットの舗装路でブレーキをかけた時のスタビリティはFFより高く、またコーナーリング中の安定度も高い印象を受けた。FFの方がクリアな印象はあるが4WDの「でっかいおにぎり」の様なちょっと素朴な安心感がもたらす寛ぎ感も長く乗るにはいいのかもしれない。
ちなみにサスペンションのセッティングは16インチを基準にして出しており、マツダの人いわく「同じになる様にセッティングしてあるはずなんですが……」とのこと。しかし「で、どっちが出来が良いと思います?」と聞くと、作った人も18インチの方がよくできているという認識だった。
高速道路の直進安定性はかなり良い。「矢の様にまっすぐと微動だにせず」というものではないが、基本的な直進性が高い上に微舵角の修正がやりやすいので疲れにくい。わざと修正を遅らせて少々大きめにしても嫌なヨーの立ち上がりがないので、そういうことにうるさい人でも誰かにハンドルを任せやすいと思う。そのあたりが神経質なクルマだと「他人の運転で嫌な思いをするくらいなら自分で運転する」ということになるから、案外重要な性能だと思う。
Cセグメントのリプレイス?
[写真]マツダ株式会社の常務執行役員 研究開発担当、素利孝久氏
全体としてCX-3には高いポテンシャルを感じた。売れそうな予感があるのは前述した通り。Cセグメントがかつての勢いを失っている現状で、Bセグメントの高付加価値モデルは落とし所としてとても説得力がある。ガマンした感じや、節約した感じを特に感じない一番普通の選択肢になるのではないか。
本当に次世代スタンダードになるかどうかはまだ年数のかかる話だと思う。次世代スタンダードということは世界で最も売れているクラスであるCセグメントのリプレースということになるからだ。マツダの常務執行役員の素利孝久氏に聞いてみたところ「Cセグメントのリプレイスというのは大げさです。あのクラスは盤石ですから」と笑うが、マツダがこのCX-3のクラスを「2020年には2倍になる」と踏んでいるのも事実だ。でなければいつも「うちはお金ないんで」と言っているマツダが、全くの新マーケットに新製品を投入するわけがない。
今の新車マーケットを見渡してみれば、そこそこ経済力はあるけれど「クルマはあくまでも道具」と考える多くの人々にとって、CX-3は実はど真ん中のマイカーなのではないかと思う。
(池田直渡・モータージャーナル)
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中国人訪日客が日本経済を支えている。2015年2月の訪日外国人客全体約138万7000人だったうち、その約4分の1にあたる約36万人が中国からの旅行者だった。伝統的に「ニッパチ」と呼ばれ、2月と8月は寒かったり暑かったりして商売が振るわない時期とされていたが、そんなジンクスはどこへやら。潤沢な手持ちの資金を使って日本で「爆買(ばくがい)」する中国人のショッピング風景は主要メディアが注目するニュースになった。
爆買の平均消費金額は約20万円
[写真]爆買中国人は36万人、平均消費金額は約20万円に(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
彼らが買い求めるのは電気ポットや電気炊飯器、セラミック製の包丁、ドライヤー、化粧品などの日用品から、赤サンゴの高級宝飾品にいたるまで多岐にわたる。特に日用品は中国で買うよりも3分の1程度の値段で買えるとされ、デパートや量販店にお客が殺到。各社は多数の免税コーナーを設けるなど積極的に対応した。
この結果、大手百貨店5社の2月の売上高は(速報値、既存店ベース)そろって増収となった。1回の日本滞在で使う平均消費金額は約20万円と、他の外国人が10万円前後であるのと比べるといかに大きいかがわかる。百貨店、ホテルなどに与える波及効果も当然ながら大きい。ホテルなどの場合、以前は一人当たり1万5000円~6000円の客単価だったが、いまはそれが2万円以上に上昇し、今後についても「2万5000円ぐらいになるのではないか」という強気の見方があるほどだ。
しかし喜んでばかりもいられない。彼らのマナーの悪さにまゆをひそめる向きも少なくないからだ。大型バスで大挙して銀座に乗り入れて、ところかまわず飲食したり、トイレではない場所で子供が用を足したりなど、常識はずれのことが次々と起こるそうだ。
しかし、ホテルは悲惨な状況に
ホテルにいたってはもっと悲惨だ。ある都心の高級ホテルの関係者によると、使い方がよくわからないせいか、男女問わず部屋のトイレで温水便座に座るのでなく立ったまま用をたして水浸しにしたり、火のついたたばこをそのまま床に捨ててじゅうたんを焦がしたり、朝食バイキングの料理を全部持っていってしまったりなど、「トンデモ」を挙げだしたらきりがないという。
このため最近は都心の有名なホテルは中国の団体客の受け入れを敬遠しており、そうした客は中級以下のホテルや郊外のビジネスホテルに流れているという。
逆に有名ホテルがターゲットにしているのが、富裕層の個人旅行客である。高級な部屋に長期間滞在してくれるほか、盛大な宴会を開いたり、一人当たり5万円前後もする高級な食事のコースを選んでくれたりするなど、二重三重においしいからだ。
ただ、こうした富裕層であっても、必ずしもマナーが良い人ばかりとは限らないそうだ。団体客相手に遭遇するのと同様の悩みを抱えるホテルも多い。あるホテル関係者は「日本人の海外旅行客も昔はそうだったのかもしれないが、彼らの常識が追いつくにはあと10年はかかるのではないか」と話している。
(3Nアソシエイツ)
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発車メロディの全駅曲目が決定した大阪環状線は22日午後、新たに15駅で発車メロディを導入した。それに先立ち、大阪駅の旧砂時計広場で「全駅メロディお披露目」イベントが開かれ、同線のキャンペーンなどで活躍した中条あやみらが登場。鉄道ファンや道行く人らも足を止め、新たな発車メロディの記念すべき導入の時を見守るなど、にぎやかな雰囲気に包まれた。
「大阪環状線らしさ」をテーマに採用、お披露目へ
[写真]大阪環状線全駅に発車メロディが導入され、同線各駅長らが記念セレモニーで敬礼=22日午後3時ごろ、大阪市北区の大阪駅で
このメロディ導入は、大阪環状線やその沿線のまちに愛着を感じてもらえるように「その駅(まち)らしさ」「大阪環状線らしさ」「大阪らしさ」をテーマに発車メロディを採用している。
昨年5月には、大阪駅で「大阪を愛し大阪に愛された、やしきたかじんさんの代表曲」として「やっぱ好きやねん」を採用するなどしていた。
同線では、2016から18年度にかけ、大阪市内を走る「大阪環状線」に新しい車両「323系」を投入し、国鉄時代に製造された103系・201系の通勤形電車をすべて置き換える予定。様々な面から新たに生まれ変わりそうだ。
和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」など
今回導入された中で注目される発車メロディは、福島駅で円広志の「夢想花」・天満駅ではaikoの「花火」・天王寺駅では和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」など著名な曲を含め全15曲。これにより、同線全19駅で発車メロディを耳にすることができるようになった。
同日のイベントでは多くの鉄道ファンや通行人らが立ち止まって発車メロディ発表の様子を見守るなど、祝福ムードに包まれた。人気DJの谷口キヨコが1駅ごとに選曲理由などを紹介。その理由やメロディを聞いて笑いが起きるなど、多くの人が集まりその様子を見守っていた。
大阪府内の女性(46)は「大阪城公園の法螺貝とかは意外やった。私は『さくらんぼ』が良かったわ。思えへん? あと、ヨーデル食べ放題もおもしろかった」などと語った。また、大阪市内から来た男性(37)は「桃谷駅に河島英五さんのライブハウスがあって、その縁で曲として残るって、なんか亡くなってもあの人はかっこいいですよね。用事ないけど桃谷駅に行って聴いてみます」などと話していた。
JR関係者「ツッコミどころいっぱいあるかも」
JRの関係者は「なんで円広志さんの『夢想花』が福島やねんとかツッコミどころはいっぱいあるかもしれませんが、今回の発車メロディでは、逆にそのツッコミどころを楽しんでいただければと思います」と笑顔で話していた。各駅の発車メロディは次の通り。
[表]大阪環状線の各駅発車メロディ一覧(JR西日本提供)
▽大阪駅「やっぱ好きやねん/やしきたかじんさん」▽福島駅「夢想花/円広志」▽野田駅「一週間/ロシア民謡」▽西九条駅「アメリカン・パトロール/アメリカ民謡」▽弁天町駅「線路は続くよどこまでも/アメリカ民謡」▽大正駅「てぃんさぐぬ花/沖縄民謡」▽芦原橋駅「祭/芦原橋太鼓集団『怒』作曲」▽今宮駅「大黒様/文部省唱歌」▽新今宮駅「交響曲第9番『新世界より』/ドヴォルザーク作曲」▽天王寺駅「あの鐘を鳴らすのはあなた/和田アキ子」▽寺田町駅「Life Goes On/韻シスト」▽桃谷駅「酒と泪と男と女/河島英五さん」▽鶴橋駅「ヨーデル食べ放題/桂雀三郎with満腹ブラザーズ」▽玉造駅「メリーさんのひつじ/アメリカ民謡」▽森ノ宮駅「森のくまさん/アメリカ民謡」▽大阪城公園駅「法螺貝/オリジナル」▽京橋駅「ゆかいな牧場(大阪うまいもんの歌)/アメリカ民謡」▽桜ノ宮駅「さくらんぼ/大塚愛」▽天満駅「花火/aiko」(京橋駅、森ノ宮駅、西九条駅、大阪駅は昨年から導入済み)。
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福井県の高浜町議会が20日、再稼働に同意することを決めました。今年11月の再稼働を想定していると伝えられています。また、九州電力は19日に使用前検査を原子力規制委員会に申請、川内原発1号機を再稼働させる計画です。しかし、実際に運転を再開するまでには紆余曲折が予想されます。
[図解]原発再稼働までのプロセス
政府は2014年2月、国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」を発表し、4月に閣議決定を行いました。エネルギー計画では、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けており、再稼働を進めることが明記されました。再稼働についてはいろいろな意見もありましたが、閣議で決定されたことにより、実務がスタートすることになったわけです。
再稼働するといっても、そのまま発電所の運転をスタートすればよいというものではありません。原子力発電所の審査については、震災をきっかけに基準の見直しが行われており、2013年7月にあらたな規制が施行されています。新しい基準では、重大事故への対策を「義務」としたほか、地震、津波対策の強化、活断層については、必要に応じて40万年前までさかのぼって調査することなどが盛り込まれました。これから再稼働する原発は、これらの新基準をすべて満たしている必要があるわけです。
新しい基準ですべての原発を再評価するというのは、実は膨大な作業となります。このため安全審査を行う原子力規制委員会では、川内原発を優先審査の対象とし、最初に川内原発の審査を行ってから、各原発の審査を行っていく方針を掲げています。このため川内原発の審査が先行しており、2014年9月に安全審査に合格しています。ただし、再稼働までにはこの他にもいくつかのハードルがあります。地元の同意を得ること、「工事計画」と「保安規定」の認可を受けること、そして「使用前検査」に合格することです。これらを経てようやく再稼働となります。
川内原発は、地元の同意は得ていますが、工事計画に補正が入ったことでスケジュールが大幅に遅れています。そうこうしているうちに、高浜原発が2月に安全審査に合格し、工事計画の補正書も提出しました。これにより高浜原発が、早ければ今年の春以降に再稼働するのではという声が上がっていました。ただ、どちらも、一部の住民が再稼働差し止めを求める仮処分申請を行っており、こちらの動向からも目が離せないでしょう。
とりあえず、既存の原発を再稼働させることを決定し、当面はそれを実施しようとしているわけですが、日本の原子力政策全体をどのようにするのかについては何も決まっていません。使用済み燃料からプルトニウムを抽出してあらたな燃料とする「核燃料サイクル」の開発を継続するのかなど、決めなければならないことがたくさんあります。また原発の位置付けについても「重要なベースロード電源」というあいまいな表現ではなく、よりはっきりとしたものにする必要があるでしょう。再稼働だけを実現して、当面は現状維持という状況にならないようにすることが重要です。
(The Capital Tribune Japan)
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[写真]見た目も絵になる東山給水塔。かつては配水塔として活躍したが、現在は非常用応急給水施設に。周辺の住宅地になじむ佇まい
愛知県名古屋市千種区の覚王山日泰寺の北側にそびえ立つ「東山給水塔」で21日、約3年半ぶりの「一般公開イベント」が行われる。1930年に完成した名古屋最古の配水塔であり、覚王山エリアでは住民らに親しまれているこの給水塔。赤いとんがり屋根にグレーがかった白い外壁に絡む蔦など、メルヘンチックな印象に「ムーミン谷に建ってそう」という声も聞かれるなど、県外にも多くのファンを持つ。現在は配水塔としての役割を終え、非常用応急給水施設となっている東山給水塔の歴史や見どころを調べてみた。
覚王山一帯の高台に住む人々の生活に欠かせない存在に
[写真]建設当時の東山配水塔。のちに長崎市助役となる成瀬薫氏による設計で、名古屋市都市景観重要建築物、土木学会推奨土木遺産
現・東山給水塔は1930年に「東山配水塔」として誕生した。配水塔とは、浄水場でつくられた水道水を、塔の高さを利用して家庭などに送る役割を持つ。当初の姿は現在とは異なり、煙突のような筒形だった。
この配水塔は覚王山一帯の高台に住む人々の生活に欠かせない存在として、名古屋市の都市化を支えるとともに水道の発展の象徴になった。
しかし、1970年代後半より名古屋市東部がさらなる発展を遂げたため、1974年、東山配水塔が配水していた区域が1969年に完成した猪高配水場(名東区)の区域に切り替えられることに。43年間にわたる、配水塔としての役割をひとまず終えることになったのだという。
役目終えても壊されず、給水塔としてよみがえる
[写真]展望スペースは360度のガラス張りで、市内を一望できる
配水塔としての役割を終えたものの、この塔が壊されることはなかった。町のシンボルとして住民にも広く愛されており、残してほしいという要望が多かったためだ。協議を重ねた結果、震災対策用の給水塔に役割を変更して残すことに。1979年3月に「東山給水塔」としてよみがえった。
「塔の給水タンクにはつねに約300立方メートルの新しい水を備えていますから、いざという時には1人1日3リットルとして約10万人分の飲料水をご利用いただけます。頑丈に造られていますのでご安心ください」と、名古屋市上下水道局広報サービス課の山之下安治さん。
「当時としても塔の絵画的な美しさには定評があったようです。さらに、塔最上部からは市内が一望できるので、市民の皆さんからぜひ公開してもらえないか、というご要望に応え、最上部を改修して公開に至ったのです」。
当時、上層部に屋外回廊はあったものの安全上、関係者以外の立ち入りは難しかった。そこで屋内の展望スペースを設け、覆う形で赤いとんがり屋根が取り付けられたのだ。この印象的なデザインは、周辺の住宅地に馴染むようにという配慮ゆえだった。
迎えた1983年6月5日、オープニングセレモニーは大盛況だった。公開の1時間も前から行列ができ、参加者は6000人に上ったという。
定期イベントとしては3年半ぶりの公開へ
[写真]日泰寺の北側にちょこんと赤い屋根を覗かせる東山給水塔。開放日は日泰寺縁日と合わせて楽しみたい
その後、定期的に一般公開を行い、展望スポットとしても愛されてきた東山給水塔。2001年からは、毎年春と夏の二回、塔の内部を開放していたが、平成2012年3月以降は配水池工事のため中止に。工事を終えた今年3月から予定されている配水池工事までのワンチャンス、定期イベントとしては3年半ぶりに晴れて一般公開する運びとなった。
らせん階段を上り、水道の歴史などの資料の展示や給水タンクを眺めながら、標高74.3メートルの展望スペースへ。360度ガラス張りで名古屋市内をぐるりと一望できる。いつも見ている町並みが、少し違って見えるのが新鮮だ。工事を終えたばかりの2号配水池を含め、現在も稼働中の5つの配水池がある場所を眺めることもでき、水道の働きに感謝の気持ちをもつ機会にもなりそうだ。
21日の一般公開は午前10時から午後4時。来場者には「名水」が1人1本プレゼントされる(数に限りあり)。昨年、名古屋市上下水道100周年記念事業として東山給水塔の東側に開館した「水の歴史資料館」を合わせて見学したり、今池交差点まで1.3キロメートルにわたって伸びる「すいどうみち緑道」を散歩するのもおすすめだ。
また、当日はすぐ近くの日泰寺参道にて月に一度の縁日も行われる。
地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=35.173498285843515&lon=136.9548466366471&z=15
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