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【今日のストレス】おなかの一部分が局所的に、焼けるように痛む。しかも空腹時に症状が出やすい-となれば、まず疑われるのが十二指腸潰瘍。腸の粘膜と胃酸の戦いがもたらす病気だが、どうやらストレスが粘膜の足を引っ張っているようだ。
自称「文学青年」のTさん(31)は、社員4人の小さな出版社に勤める編集者。長引く出版不況の中、彼が担当する本はことごとく売れない。しかし、本を出さないことには売り上げはゼロだ。社長の嫌みに耐えながら、売れる見込みのない本を作り続ける。
そんなTさんが十二指腸潰瘍になった。キリキリとした強い痛みを断続的に感じ、夜寝る前や朝目覚めたときは特に痛む。耐えきれずに医療機関を受診。胃カメラを飲んで調べたところ、十二指腸に潰瘍ができていたのだ。
医師から「ストレスのせいでしょう」と言われたTさん。自分のストレスを分かってくれる人に会えたことに感動した、と言うのだが…。
「たしかにストレスで十二指腸潰瘍ができることはあります」と語るのは、湘南東部総合病院院長の市田隆文医師。そのメカニズムを解説する。
「精神的なストレスがかかると、胃や十二指腸の粘膜を守る機構が破綻します。そこを胃酸が攻撃してダメージを及ぼすので炎症が起き、潰瘍になっていくのです」
市田医師によると、一番の治療法は「ストレスを無くすこと」だそうだが、いまのTさんにそれは望めない。
「プロトンポンプインヒビター(PPI)という胃酸を抑制する薬を服用して、粘膜を保護し、症状を押さえ込んでいくのが基本的な治療法」と語る市田医師は、「ピロリ菌がいると胃潰瘍や十二指腸潰瘍のリスクが高まるので、そちらの検査もしておいたほうがいい」と指摘する。
一方、当のTさんは、十二指腸潰瘍を、少し誇らしく思っている。
「がんは嫌だけど、胃潰瘍とか十二指腸潰瘍って、なんだか“モノカキの病気”って感じがするじゃないですか。これで僕も少し箔(はく)が付いたような気がして(笑)」
明治時代の文豪じゃあるまいし、時代錯誤も甚だしい。心配して損したゾ。 (長田昭二)2015/3/23 16:56 更新