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[慶州路を駆ける]<中>官民でランナー歓待

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[慶州路を駆ける]<中>官民でランナー歓待

 桜並木に囲まれた美しい湖畔に、真新しい散策路が続く――。「慶州さくらマラソン&ウォーク」の主会場となる韓国・慶州市の普門湖では昨年11月、景観をより楽しみながら周回できる「普門湖循環探訪路」(約8キロ)が完成した。

  日本人にも人気が高いウォーキングの魅力アップにつなげようと、2010年から5年がかりで整備。今大会のウォーク部門では、この探訪路を活用した8キロコースが新設された。「咲き誇る桜を目の当たりにでき、湖と調和した眺めも圧巻。韓国有数のウォーキングコースを楽しんで」。慶州市観光コンベンション課の崔(チェ)仁碩(インソク)さん(51)は、日本の出場者に呼びかける。

  <参加者の思い出に残るイベントにしたい>――。運営に携わるスタッフの共通の願いが、24回目を数える大会を支えてきた。

  慶州市体育会の李(イ)英珠(ヨンジュ)さん(49)は2009年から、ゴールしたランナーに、ククス(麺類)やムク(ドングリを原料にした総菜)などの伝統料理を振る舞うボランティアを続けている。

  2年前の大会では、兵役で離れて暮らす長男との初めての面会日が重なった。再会を待つ子供の元に向かうか、それともボランティアを選ぶか――。「大勢のランナーの役に立てれば、兵役中の息子も喜んでくれるはず」。考え抜いた末、大会を優先させた。

  李さんは今大会も午前4時から会場に詰め、仕込みに精を出す。出来たての料理を準備するためランナーの動向にも常に気を配る。「『また来たい』と思ってもらえるよう、おもてなしの心を大切にしたい」と話す。

  コース案内や伝統芸能の披露、レース後のマッサージ……。大会では総勢約1200人がボランティアを務める。ランナーの安全に配慮し、「応急処置士」の国家資格を持つボランティアも新たに加わった。

  応急処置士は心肺蘇生などの訓練を受けており、フルマラソンのコースに2・5キロ間隔で20人配置される。リーダー役となる大韓赤十字社の田(チョン)鍾斗(ジョンドゥ)さん(43)は、「全ての出場者にベストの成績を目指してほしい。我々がしっかり見守る」と、表情を引き締めた。

  「人々のふれあいも大会の魅力。市民を挙げてランナーを歓待したい」。受け入れ準備に奔走する慶州市体育青少年課の金(キム)鍾國(ジョングク)課長(57)は、参加者が一体となって盛り上がる大会の光景に思いをはせている。

  ◆慶州さくらマラソン&ウォーク2015

  4月4日(土)、韓国・慶州市の普門湖一帯で開催。マラソンの部はフル、ハーフ、10キロ、5キロの4種目。ウォークの部は午前に10キロと5キロ、午後に8キロがある。申し込み締め切りは3月9日。

  参加料はマラソンの部のフル5500円、ハーフ5000円、10キロ4500円。マラソンの5キロとウォークは3000円。詳細は大会公式サイトで紹介。問い合わせは事務局(092・715・6093)へ。

  【主催】読売新聞社、慶州市、韓国観光公社【共催】FBS福岡放送、報知新聞社

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