「あいつ、すぐのろけやがってー」
「リア充アピール、ほんとうざいよなー」
「リア充爆発しろ!」
パートナーを持つ人に対するこうしたセリフは、最近は、ほうぼうでよく聞くはず。
日本では、昔から恋人や配偶者といったパートナーを明るく自慢する傾向がとても弱いように思います(=のろける)。現代でも「リア充」「非リア」という線引きが色濃くなり、「リア充」が「リア充アピール」=のろけをすることは、白い目で見られがち。
日本にはもともと、身内のことは謙遜して言う文化があります。古文の「謙譲語」(誰かに対する自分の動作をへりくだって言う言葉=自分の身分を下げるための言葉)は、自分はもちろん、自分の身内の行動にも使われますし、昔から奥さんのことを「うちの家内が…」「愚妻」と、少し身分の低いニュアンスの呼び方で言ったりしますよね。家族や配偶者などの身内については、人に対して自慢したり、身分の高いものとして扱ってはいけないという暗黙の了解が、ちょっとした言葉遣いの中にも見られるのです。
しかし、こうした日本の文化は少しずつ変わってきている様子。「日本愛妻家協会」という男性たちの愛妻家としての活動を推進するNPOが「1月31日は愛妻の日」と謳ったり、Twitterでは奥さんとのラブラブな雰囲気や、奥さんに対する愛のメッセージを絶え間なくつぶやくアカウントがとても人気になったり。
ある友人女性も「奥さんのことについて堂々と褒めたりのろけたりする男性のほうが素敵」と語ります。奥さんについて、本当にいい女だとか、ずっと愛しているとか堂々と言えてしまう人は、「パートナーを大事にする優しい人なんだろうな」と感じられるし、仕事だけでなくプライベートでも、自分の選択に自信を持っていると感じられて好感度が高いのだとか。
逆に、家族や配偶者、彼女を褒めることにためらいを感じていたり、ましてやけなしてしまうような男性は、「誰に対してもそういう風に思っているのかな」「家庭がうまくいっていないのかな」と思ってしまい、あまり好感度は高くないそうです。
もちろんそれは、女性についても同じこと。女性も、変にパートナーの愚痴を言うより、のろけるほうが「あ、彼氏を大事にする優しい人なんだな」と好感度が高いのです。
もしあなたに彼氏がいて、彼氏のほかにあなたのことを気になる人がいたとき。あなたが彼氏についてけなすよりも、あまり気にせずに普通にのろけたりちゃんと褒めたりしている方が、その人からの好感度がより高まるというわけ。…万が一、あなたがいまの彼氏と別れたときに、その人がアタックしてくれる可能性も。こうした将来への布石として、好感度を上げておくためにのろけるという作戦もありでしょう。
人にお土産を渡すとき、「つまらないものですが……」と渡すより、「おいしかったので是非食べてください!」と言って渡す方が、相手も気持ちがいいですよね。それと同じで、パートナーに対する愚痴を言わずにのろけることも、聞いている相手を気持ちよくさせる一つの方法。
ぜひあなたも今日からは、「のろけて」みてください!
(五百田達成)
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