年中モテたいアビ子ちゃんと、内心非モテを悩んでるのに先輩面してしまう中田川先輩。「非モテOLふたりの昼休み」を漫画コラムでお届け!
最近、「他人の不倫の話を聞く」ということが私の生活の中の最優先事項となりつつあります。私が話を聞いた人たちは大体、終わった不倫に対してはこちらが引くくらいかなり細部まで詳細に話してくれるのです。ドラマティックな馴れ初め、ピロートークの内容、どんどん下がっていくデートのグレードから、蚤(ノミ)の心臓の持ち主の私では到底体験できないであろう激動のクライマックス(破滅)までの濃厚な話を、2~3時間かけてじっくり聞かせてもらえるのがとてもおもしろいのです。そのおかげで、近頃の私は不倫の話を聞かせてもらえるとなれば、西でも東でも、どこへでも行ってしまう依存症のような状態になっています。
……と、こんなに不倫話を欲しておいてなんなのですが、私自身は不倫という行為を、とても下劣なものだと思っています。結婚している人が配偶者以外の人に手を出すということは、人口の男女比のバランスが崩れ、本気で恋愛・結婚したい人が泣きを見る構造になっているということ。ズルイじゃないですか。そういうことは本当にしないでいただきたい!(でも不倫の話は聞かせてほしい!)
そんなことばかり考えていた折、知人の女性から連絡がありました。彼女は、私が仲間内との飲み会のたびに「あの人たち隠してるけど絶対不倫してるよねー」と話のネタとして話題に上った不倫カップルの女性のほうで、「彼との関係を精算したから当時話せなかったことを教えてあげる」と言われて、私はノコノコと出向いていったのでした。
本人はそのことがバレていたとは思っていなかったようで、「もう何年もあっためてきた話」みたいな調子でいろいろと話してくれましたが、こちらとしては当時からバレバレの不倫だったため、その大半が「そんなの知ってるよ」という内容でした。ただ、せっかく話してくれているで、「わー!」とか「ひゃー!」とか、できるだけ大きなリアクションに努めましたが、正直、仲間内での想像と比べると物足りなさを感じました。私たちがおもしろおかしく盛り上がって話していた噂話のほうがおもしろかったのです。人間の想像力には限界がないと言われているのは本当なのだと思いました。
このように、不倫は本人たちが思っている以上にまわりにバレているものです。気を抜いていると、どこからもれるかわかりませんので、訴訟問題などに発展しないようにご注意ください。あと、誰か不倫の話を聞かせてください。
(鈴木ポガ子)