旅行をしながら婚活する婚活ツアーは今や花盛り。さまざまな旅行イベントが企画されていますが、中には、地方に移住を見据え、移住事業の一環として行われるものも。地方自治体による婚活支援が活発化していることもあり、近年注目されています。
今回はエキサイト恋愛結婚のサイト内でも「ふるさと婚活」として紹介されている青森県の事例をご紹介します。
かだれ!!しちのへ田園文化体感ツアー」のお出迎え。七戸町は八甲田山の東側に位置するのどかな町です。
「ふるさと婚活」とは?
「ふるさと婚活」とは、エキサイト恋愛結婚のサイト内で婚活支援に力を入れている地方自治体や、各自治体が開催するイベントを紹介するもの。
青森県の場合は、公式サイト「だからあおもり」内での交流イベントを紹介しています。
こちらは「ウェルカムあおもり推進事業」として首都圏等にお住まいの方と、青森県との交流人口の拡大や移住促進を目的とした移住・交流の推進事業。今年と来年の2年間、青森県内で交流ツアーを開催する予定。
今年は津軽地域の弘前市と南部地域の七戸町で、それぞれツアーが開催されました。具体的なイベントの中身はどんなものだったのでしょうか。
七戸町の古民家「山勇商店」。「山勇商店」は明治35年建築の味噌・醤油醸造蔵跡。古い商家の様式を残す貴重な建物です。
どんなツアーだったの?
弘前市の場合、「津軽じぇんとるMenといく・弘前ぐらしを知る旅」と題して首都圏在住の女性5名と弘前市在住の男性5名が参加。
七戸町の場合は「かだれ!! しちのへ田園文化体感ツアー(「かだれ」とは津軽弁で「集まれ」の意味)」と題して、女性10名、男性14名でのイベント実施となりました。どちらもスケジュールは2泊3日。
弘前でのツアーは、1日目に地元のパワースポットである岩木山神社に参拝後、国の登録有形文化財である藤田記念庭園で葛西憲之・弘前市長と歓談をし、路地裏散策へ。また、2日目にはリンゴ公園で農業体験、3日目には弘前城を散策としっかり観光を楽しめるのがポイント。
一方、七戸町の場合は「田園文化体感ツアー」というタイトルの通り、交流や農業体験に比重が置かれていたのが特徴。1日目に東八甲田温泉敷地内にある小屋で、ドラム缶ピザ&BBQで交流会をしたり、2日目にも温泉で交流会をしたりとなかなかのハードスケジュール。当日はどんな方が参加していたのでしょうか。
「山勇商店」での昼食のメニュー。…地元女性たちで立ち上げた「和の会」による地産の郷土料理を召し上がっていただきました。
ツアーに参加された男性、女性ともに年齢層としては20代半ばから40代半ばが中心。
弘前市の男性陣は、津軽・弘前市の顔として女性をエスコートする「津軽じぇんとるMen」として、事前に面接を行って、地元愛にあふれた男性に参加してもらったとのこと。「まち歩き」では男性一人一人がガイド役を務め、女性たちを笑わせたりして紳士に街をエスコートしていたそうです。
一方、七戸町の男性は、20代半ばから30代前半が多く、、女性陣からは、「純朴そう」という印象を持たれたそう。
こちらは「津軽じぇんとるMenと行く・弘前ぐらしを知る旅」での交流会の様子。津軽三味線全国大会A級チャンピオン3連覇の渋谷氏による津軽三味線の演奏があり、間近での迫力ある演奏に皆さん聴き入っていました。
パワースポットとしても知られる岩木山神社に参拝する参加者のみなさん。岩木山神社の創建は8世紀末ともいわれる由緒正しい神社です。
都会の婚活イベントとは一味違った体験ができる「ふるさと婚活」。イベントを企画した、青森県企画政策部地域活力振興課生業づくりグループ主査・小笠原富美法様にふるさと婚活についてお話を伺いました。
あおもり、こんなところがいいです!
―「ふるさと婚活」を企画された理由を教えてください。
「当課では『ウェルカムあおもり推進事業』として、本県の地域や人の魅力を知っていただきながら、婚活要素もある交流体験ツアーを実施しており、26~27年度の2年間実施予定です。モデル自治体では地域住民・民間(商工団体・青年会・観光協会など)と行政(市町・県)が連携して交流体験ツアーの企画・実施を行い、首都圏等からのツアー参加者の受入に取り組んでいます」
―移住した場合の青森の良さはどんなところがあるのでしょうか。
「青森は、夏のうだるような猛暑日や風水害をもたらす台風・大雨が比較的少なく、空気がカラリとしていて過ごしやすい気候です。また、毎日の暮らしにかかせない水道水や食がおいしく、安全・安心で豊かな自然の中で子育てを楽しみたい方や、季節ごとのアクティビティを楽しみたい方にとってのフィールドが整っています。
そして、都会過ぎず田舎過ぎないところがポイントで、買い物などの移動にはマイカーが必需品になりますが、日用雑貨や新鮮な地元の食材が並ぶ市場や大型スーパー、DIYなどが充実しています。…また、全国有数の温泉地でもありますので、週末はドライブがてら家族と温泉巡りを楽しむなど、日常生活の中に癒しがあると思います。」
―青森にお住まいの方はどんな方が多いのでしょうか。
「なんといっても温かい人が多いです。かつての厳しい冬の暮らしが育んだのか、青森には雪片付けなどで困った時には当たり前のように助け合って暮らす『絆』があります。共助の精神といいましょうか。青森県民は、地道にこつこつと物事を成し遂げるガマン強さがあり、正直で生真面目、そして世話好きで、温かい人柄であると言われています。
本県に移住された方の中には、青森の人との交流を大切に思って移住された方も大勢いらっしゃいます。この『絆』と『青森の温かい人柄』こそが、暮らし良さの価値を確かなものにしているのだといえます」
まずはファンになってほしい
―公共団体が婚活事業を行う意義について教えてください。
「移住は、進学、就職、結婚など、人生の節目という重要なポイントで行われることが多く、また、実際に青森県内にも県外の方と結婚された方は多数いらっしゃいます。よって、青森への移住を促進するには、『結婚・婚活』に着目するのも有効ではないかということで事業化しました」
―「ふるさと婚活」においても結婚したカップルが生まれることを期待していらっしゃるんでしょうか。
「『ふるさと婚活』を実施する意義としては、結果的に結婚につながってくれたらということではありますが、まずは青森を知って、ファンになっていただき、何度も訪れてもらうきっかけにもなればと考えています。このため、独身女性・男性を参加者とした婚活的要素を持たせつつ、地域全体で受入体制づくりに取り組んでいます。心のこもったおもてなしをはじめ、地域の方々と様々な形で出会い・交流していただき、感動・共感していただけるようなツア
ー(参加者の受入)を目指していますので、婚活はもちろん、地域づくりとしての側面も大きいです」
―「ふるさと婚活」をきっかけにしてどんな方に訪れていただきたいのでしょうか。
「まずは、青森県がどんなところか関心がある方、一度は行ってみたいという方に少しでも関心を持ってもらいたいと思っています。
やはり真剣に出会いを探している方に来ていただきたいと思っていますが、地域と関わりを持ってみたい方、都会ではできない自分なりの暮らしを見つけたい方や自然豊かな環境で子育てしたい方も大歓迎です」
以上、いかがだったでしょうか。観光と婚活が一度に楽しめる「ふるさと婚活」、来年2月には弘前市と七戸町で行う第二弾のイベントも開催予定。ご興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。
(古田ラジオ)