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スイス中央銀行が介入放棄を宣言してスイスフランが急騰、為替市場を慄然(りつぜん)とさせた1月16日のスイスショックだが、その後処理は着々と進んでいるようだ。
今回のスイスショックで大きな問題となったのは二つ。「FX会社の経営破たん」と「個人投資家の『未収金』」だ。
スイスショックにより経営破たんした世界的な大手FX会社だったアルパリだが、日本法人のアルパリジャパンでは粛々と出金処理が進んでいる。個人投資家が預けた資金を信託銀行が管理する「信託保全」の仕組みもあり、出金できないといったトラブルはなさそうだ。
スイスフランのあまりの急上昇により、預けた証拠金以上の損失が発生した個人投資家もいた。金融先物取引業協会の発表によると、日本のFX会社で1月に発生した未収金は1229件、33億8800万円。未収金は個人投資家が背負うFX会社に対する債務、借金となるが、海外では取り立てずに損金として処理した会社もある。FX会社の対応はこれからだろうが、1件あたりにすると275万円と金額が大きいだけに、裁判などへの発展もあり得るだろう。
また、スイスショックの余波でスイスフランのスワップ金利が大きく変動している。スイスフラン/円の買いでは現在、スワップ金利の支払いになるのだが、その金額はFX会社によって大きく異なる。最大手のGMOクリック証券では1日1万通貨あたり13円なのに対して、外為どっとコムでは37円、ヒロセ通商の「LION FX」では5円と金額は大きく異なっている。さらにスイスフラン/円の売りではスワップ金利が受け取りになる会社もあれば支払いになる会社もあり、混乱している。
こうしたスワップ金利のサヤを狙って取引することもできそうだが、スイス中央銀行が再度の介入を行うなど、まだまだ波乱が完全に収まったとは言いがたい。当面、スイスフランがらみの通貨ペアの取引は避けるのが無難だろう。