政治そのほか速
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小笠原諸島・父島(東京)沖の領海でサンゴ漁をしたとして外国人漁業規制法違反(領海内操業)の罪に問われた中国人船長、許益忠被告(39)に、横浜地裁は23日、懲役1年6月、執行猶予5年、罰金400万円(求刑懲役1年6月、罰金400万円)の判決を言い渡した。
昨年9月以降、小笠原諸島周辺海域にアカサンゴ密漁目的の中国船が押し寄せた問題で、船長の判決は初めて。
成川洋司裁判長は判決理由で「採ろうとしたサンゴは希少価値が高い貴重な水産資源で、日本では関係者が乱獲を防止してきた。犯行はこうした努力を無にしかねず、厳しい非難に値する」と指摘した。
地方創生に向けた国の交付金(総額4200億円)の使い道について、各自治体が知恵を絞っている。
婚活支援、防犯カメラ、商品券……。ユニークな事業が並ぶが、どんな事業が「地方創生」につながるのかは必ずしも明確でなく、単なるばらまきに終わらせないための工夫が求められそうだ。
◆一気呵成
1970年の大阪万博に合わせ街づくりが進んだ大阪・千里ニュータウン。街路樹の老木化が進んでいるため、吹田市は交付金6000万円を充てて倒木の危険性などを調べる。元々、新年度予算に計上予定だったといい、「基金の取り崩しを減らせた」と担当者。
交付金支給が決まったのは昨年末だ。自治体側は2014年度補正予算案に事業を盛り込まなければならず、急ピッチでの検討を強いられた。地元産品を海外に売り込む事業などを展開する愛媛県の担当者は「内容を決めるまで3週間ぐらいしかなかった。一気呵成(かせい)に予算化した」と語る。
◆創意工夫
各自治体の「知恵比べ」となったのが「地方創生先行型」交付金。今後3年間で防犯カメラ1000台を設置する兵庫県伊丹市は、費用の一部に交付金を充当する予定で、藤原保幸市長は「治安を良くし、『選ばれる街』にしたい」と狙いを語る。
婚活支援に乗り出すのは京都府。4年間で1000組の成婚を目標に、相談窓口を設置したり、セミナーを開いたりする。愛媛県八幡浜市は、閉校になった学校の校舎を利用し、ミカンの収穫を手伝うアルバイトの宿泊施設を整備する。
観光振興に力を入れる自治体も。京都府宇治市は、鵜(う)を綱でつながず、自由に泳がせて魚を取らせる伝統漁法「放ち鵜飼い」の復活に取り組む。
◆経済効果
「地域消費喚起・生活支援型」の交付金では、「プレミアム付き商品券」を発行する自治体が多い。大阪市は夏頃、市内の登録店で使える商品券(1万2000円分)を1万円で販売。神戸、京都、堺各市などもプレミアム(上乗せ)率を20%とする予定だ。
交付金については「統一地方選を意識した政府のばらまき」(ある自治体の担当者)との声も出ているが、児童福祉施設に入る子どもたちへの1万円分の図書引換券配布などを行う兵庫県の井戸敏三知事は「消費はばらまかないと増えない」と肯定的だ。
みずほ総合研究所の風間春香・主任エコノミストは「自治体の工夫次第では、予想以上の経済効果が表れる可能性はある。ばらまきに終わらせないためには、国が取り組みを整理、検証するべきだ」と指摘している。
◆地方創生に向けた国の交付金=景気の下支えなどを目的とした「地域消費喚起・生活支援型」(2500億円)と、地域の実情に応じた取り組みを支援する「地方創生先行型」(1700億円)の2種類。人口規模などに応じ、すべての都道府県、市区町村に配分される。政府が昨年末に閣議決定した緊急経済対策に盛り込まれた。
ショッピングサイト「楽天市場」で、出店店舗に関する架空の評価(レビュー)11万件以上を投稿され、損害を受けたとして、サイトを運営する楽天(東京)が、大阪市北区の投稿請負業者に約1億9800万円の損害賠償を求める訴訟を、23日までに大阪地裁に起こした。
訴えによると、楽天市場には、購入者が商品や店舗を5段階で評価する「みんなのレビュー」という機能があり、利用者が購入するかどうか検討する際の重要な情報として参考にされている。
楽天は、レビューの自作自演を利用規約で禁止しているが昨年1月以降、注文がないのに虚偽のレビューが投稿されている疑いがあることが判明。
「1票の格差」が最大2・13倍だった昨年12月の衆院選は、憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、弁護士グループが近畿6府県の全選挙区の選挙無効(やり直し)を求めた訴訟の判決で、大阪高裁(志田博文裁判長)は23日、「違憲状態」と判断し、無効請求を棄却した。
弁護士グループは全国の高裁・高裁支部に17件の訴訟を起こし、判決は3件目。東京高裁は「合憲」、名古屋高裁は「違憲状態」だった。4月中にも判決が出そろう見通し。
最高裁は前々回2009年衆院選(最大格差2・30倍)と前回12年選挙(2・43倍)をいずれも「違憲状態」と判断し、格差是正を求めた。
お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹の初小説『火花』(文藝春秋)が、すさまじい売れ行きをみせている。
お笑い芸人の先輩後輩が、笑いや人生を考え議論する日々を描いた同小説は「文學界」2月号(文藝春秋)で発表。発行部数1万部は、創刊以来初という増刷を重ね4万部に。それを単行本化したところ、重版が早々に決まり、累計部数は35万部となっている。
12日に紀伊國屋書店新宿本店で行われた刊行記念会見では記者から、
「すごい売れ行きですね。先生とお呼びしましょうか」
などと言われると、
「先生と呼ばれても真に受けることはないですよ」
と、持ち前のゆっくりした口調と控えめな笑顔で否定したものの、うれしさは隠し切れない。
「先生になった気分はわからないけれど、書店に並んでうれしい。印税の使い道? 終身雇用の会社ではないので退職金代わりに貯金しようかな。でもオルゴールもほしいな。『エリーゼのために』。癒やされるでしょ?」
同日は、サインの入った本を300人のファンに手渡すイベントも開催されたが、20代、30代の女性の多いこと多いこと。
芸人のなかでも本好き、特に太宰治の著作好きで知られている又吉。長身で格好良かった太宰は女性にとてもモテたと言われているが、又吉も負けず劣らずの人気ぶりだろう。
イベントに来ていた26歳の女性は、
「大学生の頃からファンです。もう、全てが好き。洋服のセンスの良さ、人柄、お笑い、お笑い以外も才能にあふれていますし。今日はやっと『火花』が読める。楽しみです」
と、メロメロだ。21歳の女性は、又吉の文章に惚れてファンになった。
「夏目漱石など、いろんな本を読んできましたが、『火花』ほどハマった本はありません。仕事で絶望的になっていたときに読んで勇気をもらいました。言葉のチョイスがいいし、魂がこもっている」
さて、この『火花』、どこまで部数を伸ばせるか。出版業界からは早くも、「太宰の取れなかった芥川賞、もしくは直木賞候補となるのでは?」との声も聞こえてくる。当人は「これからも中心はお笑い」と至って謙虚だが、世間は放っておかないだろう。「又吉先生」人気が、火花として散るか散らないかは、これから決まる。
※週刊朝日 2015年3月27日号