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淡路島の植物について70年以上にわたって調べてきた洲本市宇山の元教師、南光重毅さん(89)が、研究の集大成となる著書の第2弾「続・生き生き植物観察記」(A4判、220ページ)を出版した。ハコベやススキ、ヨモギといった身近な植物を中心にまとめ、カラー写真1885枚を使った労作。南光さんは「ありふれた植物でも、開発や外来種の繁殖で次々と姿を消している。この本が貴重な命を保護する活動につながれば」と話している。(井ノ口麻子)
淡路市出身で、子どもの頃から植物観察が好きだった。1946年から教べんを執る傍ら、島内各地で調査、研究に励み、教え子の児童らと観察に赴くことも多かったという。
退職後、2012年に島内に生息する印象的な植物を紹介した「生き生き植物観察記」を出版。その後も研究を重ねていき、雑草と言われているハコベの生態を詳しく知ったことをきっかけに、続編のテーマを身近な植物に選んだ。
ハコベは上を向いて花を咲かせた後、種子ができるまで下を向く。そして、再び上を向いて遠くに種子を散らせる。「子孫を残すための賢さにほれこんだ」と南光さん。
写真にもこだわった。それぞれの植物の特徴となる部分をクローズアップで撮影したり、胚や胞子の顕微鏡写真を載せたりしたほか、群生地の全体の様子なども紹介した。芽吹きから開花、結実など植物の「一生」をとらえたものも多く、いずれも解像度が高いリバーサルフィルムを使った。
南光さんは「淡路島には約3000種類の植物が生息すると言われているが、以前はどこにでもあったオミナエシやキキョウはほとんど見られなくなった。植物を守るために、保護や増殖に取り組む必要があるのでは」と提言する。
「続――」は3240円(税込み)。問い合わせは出版元の神戸新聞総合出版センター(078・362・7140)。
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「淡路花博2015花みどりフェア」の期間中(5月31日まで)、洲本市山手の市立淡路文化史料館で南光さんの写真展「自然豊かな淡路島の四季」が開かれている。「生き生き植物観察記」に掲載した写真2010枚の中から、アゼトウナやハマボウなど38種類、98枚をパネルにした。
午前9時~午後5時。月曜と祝日の翌日は休館(24日は休館。5月4~6日は開館)。入館料は一般400円、高校・大学生250円、小・中学生100円。会場では「生き生き――」と「続――」の販売も行っている。問い合わせは同館(0799・24・3331)。
京都市と大津市をつなぐ琵琶湖疏水(そすい)第1疏水で28日、観光船の試験運航を両市などが始めた。最大21倍の当選倍率でモニターとなった乗船客たちが、ほころび始めた桜の下で船旅を楽しんだ。
観光船の事業化に向け、課題を抽出するため実施。大津乗船場―山科乗下船場―蹴上下船場の全長7・8キロを3コースに分け、5月6日までの土日曜、祝日に運航する。料金1000~2000円のモニター(定員1152人)に1万9033人が申し込んだ。
この日午前9時15分頃、一番船が大津市を出発。約1時間かけて蹴上に到着した乗船客は、料金設定や乗り心地、改善点を問うアンケートに意見を記入した。
南丹市のパート従業員、藤原真理子さん(64)は「水の流れで進み、ゆったりした船旅を楽しめた。桜が満開になればすばらしい景色になりそうで、料金も納得。専門のガイドさんがいればもっと良くなると思う」と満足そうだった。
◇7、8回好機 あと1本
近江が28日の県岐阜商(岐阜)との2回戦で敗れ、ベスト8進出はならなかった。大会屈指の右腕、高橋純平投手を相手に序盤から打線が沈黙、七、八回の好機であと1本が出なかったものの、3年ぶりの選抜大会出場で見せた粘り強い戦いぶりにアルプス席から大きな拍手が送られた。
先発のエース小川良憲投手は、一回に先制されるなど序盤に3点を失う苦しい立ち上がりだった。その後は点を与えず、七回以降は有本勇士郎、京山将弥両投手が継投し、無失点に抑えた。
打線は七回一死から、杉野翔梧、山本大地両選手が連続左前打を放ち一、三塁の好機を作ったが、後続が断たれた。県岐阜商の高橋投手を最後まで攻略できず、4者連続を含む10三振、3安打に終わった。
多賀章仁監督は「甲子園で2試合戦えたことは収穫。夏に向けて課題を克服したい」と話した。
◇エース救った好守
相手の一方的な試合になりそうな展開を食い止めたのは、岡勝輝選手のファインプレーだった。
3点リードされた五回の守り。一回に先制の適時三塁打を放っていた先頭打者がバットを構える。打球が三遊間に飛んだ。
その一瞬に、遊撃手の岡選手は「体が自然と反応した」。猛然とダッシュし、横っ飛びで腕を突き出すと、グラブに球が収まる。すぐに体勢を立て直し、一塁へ送球した。
「アウト」。声高らかに響く審判の判定。応援スタンドでは、安打になると思っていた観客から「よく捕った」と大きな歓声が上がった。
偶然の結果ではない。
近江は、昨夏の甲子園大会に県代表として出場したが、岡選手はベンチ入りできなかった。憧れのグラウンドで躍動する仲間の姿に、悔しさは募った。足腰をしっかり鍛えて動きのキレを良くしようと、自主練習として30メートルダッシュを日々10本こなした。
この試合、岡選手の堅守で投手陣は息を吹き返す。五回以降は無失点に抑えた。先発の小川良憲投手は「一回にリズムを崩されたが、あのプレーで変わった」と振り返る。
「夏に向けてまた練習だ」と近江の選手たち。堅い守備で隙を作らず、相手の攻撃が緩んだところを一気にたたく――。夏につながる近江野球を象徴するプレーだった。(猪股和也)
◇渋味にオリーブの葉
さぬき市小田のさぬきワイナリーは27日、香川大が開発したブドウ「香大農R―1」を使ったノンアルコールワインを発売した。
アルコール分を生成しないよう、粉砕したブドウの皮と種に水を加え、糖度を下げて発酵させた。小豆島産のオリーブの葉と、さぬき市産の桑の葉の粉末を加えて赤ワイン独特の渋味を演出し、ブドウ果汁とブレンドして仕上げた。
「香大農R―1」は、抗酸化作用のあるポリフェノールがワイン用普及種の2~3倍多いのが特長。ワイナリーはワイン、ジュースに続く第3弾として、徳島文理大の協力を得てノンアルコールワインを開発。「さぬきRED」の統一ブランドでPRする。
限定300本で、500ミリ・リットル入り1620円(税込み)。竹中剛工場長は「思った以上にワインに近い味に仕上がった。次のブドウができる頃には増産体制を整えたい」。ワイナリー併設の物産センターで販売している。
◇岡山市埋文センター 原寸大模型を展示
国史跡・造山(つくりやま)古墳群(岡山市北区)に属する千足(せんぞく)古墳(5世紀前半)の第1石室の原寸大模型が、岡山市中区の市埋蔵文化財センターで展示されている。
ドーム状の石室を半分に切断した場合の状態を、京都市の模型製作会社が強化プラスチックで再現。高さ約2.8メートル、幅約3.2メートル、奥行き約2.1メートルで、ベンガラとみられる赤い顔料が塗られた壁も、アクリル絵の具で忠実に仕上げた。
石室内を仕切っていた石「石障」のレプリカも展示。渦巻き模様や直線を組み合わせ、被葬者を守り、慰める意味があるとされる文様「直弧紋」も確認できるようになっている。
同センターは「実際に入ることができない石室の大きさを、この模型で体感してほしい」とする。
入館無料。午前9~午後4時半。日曜、祝日休館。問い合わせは同センター(086・270・5066)。