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学生が企業で就業体験を行う「インターンシップ」。
企業が独自に行うものや、大学が企業に依頼して実施されるものなどがあります。夏休みの8~9月に行われることが多く、今の時期から募集が始まります。キャリアセンターでは、これらの情報を学生に説明する場を設けたり、どんな就業体験をしたいか、相談に乗ったりしています。
インターンシップに参加した学生は「仕事への理解が深まった」「働く意味を感じることができた」と感想を語ってくれます。「友達ができた」と話す学生もいます。同じ業界や仕事に興味を持つ他大学の学生から刺激を受けたというのです。
また、「就活の準備になった」という意見もあります。その会社を志望するということでなく、自己分析や業界研究のきっかけになるようです。
一方、「アルバイトと変わらなかった」「面倒そうに扱われた」など、良い経験になったとは言えない声を聞くことも。
学生をインターンシップに送り出す立場では、企業側がどんな姿勢で彼らと接してくれるのかが、いつも気になります。
「企業の方が熱心にかかわってくれたことに感動した」とは、昨夏インターンシップを経験したある学生の声。「この出会いが自分を大きく変えた」と報告会で語ってくれました。
若者に、高い就業意識を身につけさせることがインターンシップの目的です。「本気のかかわり」が若者を動かすことを受け入れる側も意識してほしいと思っています。(山口大教授)
(2014年6月3日の読売新聞朝刊に掲載)
全国の大学が学生の学習時間を増やそうと悩む中、具体的なノルマ時間を前面に押し出して、授業の工夫や学習スペースの確保などを進める玉川大学(東京都町田市)の取り組みに注目が集まっている。
脱「レジャーランド」を追求する、その改革の現場を取材した。
4月末、「異文化理解と教育」の授業。学生16人が3、4人のグループに分かれ、討論を始めた。
授業に討論を取り入れる大学は珍しくないが、この授業が違うのは、事前に個別に出された課題をしないと参加が難しい高度な内容になっていることだ。例えばこの日の課題は、「外国籍の子どもなどが学校で遭遇する困難について書かれた3年以内の新聞記事や資料の要約と分析」。討論結果はグループごとにまとめて発表するため、課題を忘れると、他のメンバーに迷惑がかかる。「毎日、必死で勉強する」と4年生の女子学生(21)。3年生男子(20)も「空き時間の活用がうまくなった」という。
こうした授業は、同大が昨春から始めた「単位の実質化」の一つだ。ただ単位を取らせるのではなく、単位にふさわしい学習をさせるのが狙いで、必要な学習時間として1日平均8時間を掲げる。旗振り役の菊池重雄教授は「放っておいたら勉強しない。大学全体での工夫が必要」と話す。少人数授業を増やし、各授業で課題を出すよう教員に求めているのは、そのためだ。
「8時間」の根拠は、全ての大学が守らなければならない「大学設置基準」にある。卒業には124単位以上が必要。1単位には授業と自習時間を合わせて45時間の学習が求められ、4年間で卒業するなら、1日平均8時間が必要になるわけだ。
1~3年に単位を稼ぎ、4年で就職活動に専念するのでは、学習時間が確保できなくなる。このため、同大は各学期で取れる授業数を制限し、時間割では授業と授業の間を2時間空けて予習復習にあてるよう指導する。成果は成績でチェックし、ふるわない学生は個別指導。改善がなければ退学勧告する。
一方で、ハード面の整備も進める。学生が利用する学内カフェを早朝から開店させ、来春開館の図書館には学習室のほかレストランも併設するなど、腰を落ち着けて学習しやすい環境作りに腐心している。「大学はレジャーランドではなく学ぶ場、という世界の常識を実現する」と小原芳明学長は語る。
とはいえ、理想の実現へのハードルは高い。最大の課題は「教員の意識改革」(小原学長)だ。日本の大学では、教育を軽視する教員気質が根強い。同大にも、「何でそこまで」と反発する教員もいる。そうした教員に対し、「課題提出を求めるくせにチェックした形跡もない」など、学生の不満もあり、教員研修にさらに力を入れる考えだ。(編集委員 松本美奈)
このうち「グローバル化けん引型」には、応募した93大学から24大学が採択された。地域の国際化などを先導する役割が期待される。
東京芸術大は、同大のキャンパスのほか、美術館や博物館など文化施設が集積する東京都台東区の上野公園一帯を、国際的な芸術の拠点とする構想を掲げる。上野は成田空港から交通の便がよいため、同大図書館を改築し、外国人に全国の文化財や美術館などを紹介する「国際芸術リソースセンター」を開設。学生らが、英語のほかイタリア語、フランス語、ドイツ語などで案内にあたる。
海外の著名な交響楽団や芸術家のグループなどを教員として招くことも予定。同大が各地で企画する作品展やコンサートにも参加してもらい、「世界レベルの芸術を身近に楽しめる機会をつくりたい」と同大の担当者は説明している。
新潟県の長岡技術科学大は来年度、大学院工学研究科に、修士・博士課程の5年一貫教育を行う「技術科学イノベーション専攻」を開設する。留学生を含む大学院生と中小企業の技術者や経営者らが連携し、海外に売り込む新商品の開発などを目指すプロジェクトチームを発足させる計画だ。
学生には、アイデアをビジネスにつなげる手法を学ぶ機会になり、商品開発に人手が割けない中小企業には、国際的な視点を取り入れられる利点があるという。
メキシコやベトナムなど海外の工業系大学や現地の企業とも提携。同大の学生に留学のほか海外での就業体験の機会も提供し、卒業後、就職先で企業の国際化に貢献できるようにする。
秋田県の国際教養大は、小中高校生が英語を学び、留学生らと交流する1~2日間のプログラムを実施する。新入生の英語力を短期間で向上させてきたノウハウを生かし、同大の学生や大学院生、留学生が指導にあたる。小中高校の英語教員を対象に、英語による授業の研修も行う計画だ。
スーパーグローバル大には「グローバル化けん引型」のほか、世界の大学ランキングで100位以内を目指す「トップ型」に16大学が応募し、13大学が採択された。
文科省は今年度から10年間、けん引型に約1億4000万円、トップ型に約3億2000万円の補助金を毎年交付する見通し。国際競争を勝ち抜ける大学を重点的に支援する目的がある。各大学には、改革の進み具合について報告を求める。
審査では、留学生や外国語による授業の割合なども重視され、「外国人や海外で研究歴のある教員の割合を96%に」(国際基督教大)、「留学経験者を100%に」(芝浦工業大)といった数値目標が掲げられた。
トップ型の大学は、国際的な評価を高める研究や教育を重視する。東北大は、東日本大震災の経験を踏まえた防災研究などについて海外の大学と協力し、国際共著論文を増やす計画だ。
少子高齢社会について学部横断的な研究体制を整える慶応大の清家篤塾長は、「採択され、国際貢献への意識がより強まった。ランキングでよい結果が出るように補助金などを活用したい」と記者会見で語った。(山田睦子)
同大は2007年から、JAグループ北海道と連携し、学校の先生を目指す学生に対し、稲作や酪農など、農業の現場を体験する取り組みを続けている。
今回は、当初は11日に稲刈りを予定していたが、悪天候のために中止となり、その後、稲刈りの繁忙期に差し掛かったことで稲刈り体験の実施が難しくなった。このため、代替措置として花卉生産の現場を体験することになった。
学生たちは、花卉生産農家の岸定(さだむ)さん(61)に指導を仰ぎ、来年に植える球根を畑から掘り出し、花束を作った。4年生の阿部真利恵さん(22)は「花屋さんになりたいという子どもたちも多いので、花を育てる現場を教えるときに役立つだろう」と話していた。
IT機器の発達で、発達障害の子どもの学習機会が広がっている。
この夏も東京都内で、全国の発達障害などの小中高校生を集めた学習指導が行われた。こうした子がテストでIT機器を使うと、成績が上がるという検証結果も出ており、入試での使用をどこまで配慮すべきかが、議論になりそうだ。
今月6日、東京都目黒区の東京大学先端科学技術研究センター。読み書きに困難を伴う小中学生9人がパソコンなどを使い、国語のテストに取り組んでいた。
問題文を選択すると、音声ソフトが読み上げてくれたり、解答を手書きで記入する代わりにキーボードで入力できたり。「こうしたテクノロジーは、読み書き障害(ディスレクシア)の子どもにとって大きな助けとなり、学ぶ機会の保障にもつながる」と、同センター学術支援専門職員の新谷清香さんが説明する。
東大は日本マイクロソフト(東京都)などと協力し、障害のある子の進学を支援する「DO―IT Japan」プログラムに2007年から取り組んでいる。入試でも活用しやすいよう、今年は指定した学年の漢字しか変換できないソフトなどが準備された。この日、IT機器を使った「配慮ありテスト」を受けた児童たちはその直前、紙と鉛筆の「配慮なしテスト」も受けていた。難易度は同じだが、「配慮あり」の得点が「なし」の2倍だった子もいた。
人間関係を築くのが困難な広汎性発達障害の男子(中学1年)は、鉛筆で書くのが遅く、漢字も苦手だ。学校の定期試験では時間延長の配慮を受けているが、パソコン使用は認められていない。「キーボードを使うと、たくさんの文章をすばやく書き込むことができた」と感想を語った。
アスペルガー症候群で読み書きに困難がある女子(小学4年)は「読み上げソフトがあると助かる。学校のテストでも使えればいいのに」と話した。
このプログラムにかかわる近藤武夫・東大准教授によると、発達障害の生徒の場合、学校の試験や高校、大学入試で配慮を認められないケースが多いという。「授業を録音したり、黒板を撮影したりするだけでも違う。それなのに、他の生徒との公平性などの理由で許可されないケースが多い」と指摘する。
政府は今年、国連障害者権利条約を批准した。16年春からは障害者差別解消法が施行され、教育場面での合理的配慮の提供が義務づけられる。大学入試センター試験では11年から、発達障害の生徒も受験での特別措置を申請できるようになった。審査に通れば、試験時間を1・3倍に延長する措置などが認められる。
近藤准教授によると、来春のセンター試験では、プログラムに参加した読み書き障害のある高校3年の男子が、問題文を代読してもらう配慮を申請する予定。これまで認められた受験生はいないが、「この生徒は、高校の定期試験でも代読の配慮を受けている。大学入試センターの判断が注目される」と近藤准教授は話している。(保井隆之)